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02 題材の目標が決まれば、5割完成!

題材の目標は、端的に言えば題材の終末における「生徒の姿」です。題材を構想する上で最も大切な項目であり、これが決まらないことには、学習活動を設定したり活動の留意点を考えたりすることもできません。そんな理由から、題材の目標が決まれば、学習指導案も5割は完成したも同然だと思っています(実際の指導案上は5行くらいしか埋まらないので、あしからず。「5割達成って言ったのに!嘘つき!」などの苦情は受付けません)。


じゃあ、目標つくってみようか!

ブルーノートスケールによる旋律やスウィングのリズム、コールアンドレスポンスの形式に関心を持ち、その働きを生かして楽曲を個性豊かに変奏したり、曲想や表現上の効果と音楽の構造との関わりを理解して味わって聴いたりする。

これまでの題材の目標は、上記のように一文でまとめて記述することが多かったですが、新学習指導要領(平成29・30年改訂)では、育成を目指す3つの資質・能力に基づいて、教科・科目の目標や内容が示されたことから、それぞれの資質・能力の視点から記述する方が分かりやすく、ぶれない指導と評価を実現できます。

と言うことは、学習指導要領を読む必要があるのか!

でた!学習指導要領!
もうしばらく我慢して、触れないようにしたいと思っていたのに、
3回目の投稿でこんなにも簡単に登場を許してしまった…

別に、何をしたわけでもないのに、何となく学校の先生方には嫌われているような、煙たがられているような存在の学習指導要領(教育委員会も同じように思われていると思うけど、それについては、また別に機会に)。
某雑誌のインタビューでもお話して、既に全国的に知られていることなので、恥の上塗りになるだけなのですが、自分は就職するまで学習指導要領(含:解説)をきちんと勉強したことがありませんでした。ごめんなさい。初任者研修の担当指導主事にも「島田さんは、何も分かっていないのね~」と優しくお怒りのお言葉を頂戴しました。


そんなこともあり、授業を組み立てながら学習指導要領を勉強するということが習慣化された日々を過ごしたことが、今から考えるとよかったのではないかと思っています(世間ではこれを「開き直り」と言います)。というわけで、題材の目標が持つ役割や意味について簡単に触れておき、次回以降、学習指導要領の構造やその内容について確認した後、再び題材の目標に戻ってこようと思います。

題材の目標はこんなところに役立つ!

題材の目標は題材名との関連も高く、特に「活動・目標代入型」の題材名の場合、題材の目標のダイジェスト版=題材名という考え方もできます。そうなると、ますます題材の目標の重要性がわかります。

ところで、実際に学習指導案を書き進めていくと、指導の展開に迷うことがあります(必ずあるんです!)。そんな時は、必ず題材の目標に立ち返って、題材全体をとおして目標を達成しうる学習活動を設定できているかを確認しましょう。例えば、冒頭に例示した目標の場合、旋律やリズム、形式に関心を持つ学習活動が設定されているかなどを確認する必要があります。また、「その働きを生かして」としているにもかかわらず、音楽を形づくっている要素の扱いに制約をかけてしまったり、「○○と△△との関わりを理解して」としているにもかかわらず、両者を関わらせる思考の場面を設定しなかったり、という不整合が生じていないかをチェックする視点となります。つまり、ブレのない授業を目指すには目標が大切!ゴールを見通してこそルートが決まります!

いずれにしても、学習指導要領における教科・科目の目標や内容と同じように、生徒の姿で記述するということが重要です(また、学習指導要領を持ち出してしまった…)。

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