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16 評価と指導の一体化?

「学びづくり」をテーマにしているのですが、子どもたちの学びの先にある評価について、少しだけ書いておきます(結果的に長くなったので、ご了承ください。)。


1.指導と評価の一体化ではないのか?

はい、そうです。指導と評価の一体化が正しいです(島田が間違っておりました。でも、一応、意図があるのよ。)。

学校においては、計画、実践、評価という一連の活動が繰り返されながら、児童生徒のよりよい成長を目指した指導が展開されています。すなわち、指導と評価とは別物ではなく、評価の結果によって後の指導を改善し、さらに新しい指導の成果を再度評価するという、指導に生かす評価を充実させることが重要です。このことを「指導と評価の一体化」と言います。
文部科学省ホームページ「確かな学力」FAQ

この「指導と評価の一体化」という言葉は、平成13年4月の文部科学省初等中等教育局長通知「(なんちゃらかんちゃらの)生徒指導要録の改善等について」で「指導に生かす評価を充実させること(指導と評価の一体化)」が重視されるようになり、今日に至っています。

2.教えたことを評価して・・・

今日に至っているということの意味が、どういうことかというと・・・

指導と評価の一体化は、指導したことを評価して、評価したことを指導に生かすという、すごくシンプルな考えなハズなのに、イマイチ上手くいっていない。義務教育段階では、多くの先生方の試行錯誤の末に、軌道に乗せてきた部分もありますが、高校では・・・(以下のリンクが文科省の一次資料)

https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/080/siryo/__icsFiles/afieldfile/2018/09/05/1406428_9.pdf

しかし、ここでは学校種の評価について述べるのではなく、指導と評価の一体化を進める上で不可欠な「観点別学習状況の評価」について取り上げます。

3.観点別学習状況の評価

今回の投稿のキモになるので、御承知とは思いますが、念のために確認すると、観点別学習状況の評価とは・・・

新学習指導要領に示す各教科の目標に照らして、その実現状況を観点ごとに 評価し、A、B、Cの記号により記入する。その表示は次のとおりである。

A:十分満足できると判断されるもの
B:おおむね満足できると判断されるもの
C:努力を要すると判断されるもの

とてもシンプルで、頭ではしっかり理解できるのですが、いざ「評価しよう!」となると、「この記述ってA?B?」「あの子、Cとしていいのかな?」というように難しさを感じます。

念のため、国立教育政策研究所が発行している「学習評価の在り方ハンドブック」のQ&Aに当たって、「「十分満足できる」状況(A)はどのように判断したらよいのですか?」への回答を確認しましょう。

各教科において十分満足できる状況と判断するのは評価規準に照らし生徒が実現している学習の状況が質的な高まりや深まりをもっていると判断される場合です。「十分満足できる」状況(A)と判断できる生徒の姿は多様に想定されるので、学年会や教科部会等で情報を共有することが重要です。
学習評価の在り方ハンドブック

うん、分かった気もするね!(笑)

4.ここからが本題!

評価の話は前提の確認が必要!

ここまで長い道のりでしたが、評価について話をするには「指導について」や「評価の概論」のような前提を確認する必要があるのです。

例えば、「あ~、やっぱりお茶漬けは美味しいね」という台詞があったとして、最近、食傷気味なAさんが言うのと、5年間の海外生活から帰国したBさんが言うのでは意味や質が異なるように、指導という前提や概論の理解が違えば、具体的な評価の内容や方法などが違ってしまいます(例えがイマイチ!)。

(本題)評価を指導につなげるために

前述のような教師が感じる難しさを、どうにかして払拭したい!評価をもっとシンプルに!というのが、島田の願いです(だって働き方改革もしたいし…)。

多くの教師にとって「評価=ゴール」という感覚が根強くあり、指導と評価を一体化させるためには、「評価を指導に寄せること」が重要だと島田は考えています。だからこそ、「評価と指導の一体化?」というタイトルで、評価を中心に置いて論を進めてきたのです。

いよいよ本題です。

  • よりシンプルに!

  • 難しさを感じることなく!

  • 学びの状況を次の指導につなげる!

のポイントを押さえた評価を実現するために、上述のA、B、Cの評価を以下のように捉え直してみませんか?

A:この生徒の学びをクラスのみんなで共有したい!
B:やったね!ねらいどおりに学んでるゼ!
C:声かけや支援が必要だ・・・

お気付きかと思いますが、これって、つまり「指導に生かす評価」の感覚に近いですね。


我々教師は、「記録に残す評価」に対してすごく身構えます。一方で、「指導に生かす評価」は授業中、絶えず行っています。

だから、A、B、Cの「記録に残す評価」も「指導に生かす評価」的に考えるのです。そうすると、指導そのものが評価であり、評価そのものが指導になります。

そのものなのだから、一体化を図る必要もない。しかも、指導に直結する!

これくらいドラスティックに意識の転換が必要だと考えています。

「十分満足」と「満足」「努力を要する」は学びの姿ですが、「共有したい!」「ねらいどおり」「支援が必要」は指導の姿です。こんな風にA、B、Cを捉えればいいのです。ぜひ、次の単元・題材からどうぞ!

やばい、全く脱線することもなく、真面目に書きすぎた。

反省。

評価については、学びづくりの上でも欠かせない要素なので、今後もまた書きますが、誤解のないようにしようとすると、とにかく前提が重要となり長くなる傾向があります。

これも反省。


だから、

評価もnoteの投稿も、シンプルに分かりやすく。

お後がよろしいようで・・・

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