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#4 『さくら』西加奈子

ずっと積読していたのですが、
映画化すると知り読みました。

キャストは吉沢亮以外知らないまま読んだのですが、
読み終わったあと調べたらなんと!!
ベストofベストじゃないですか!?

特に小松菜奈さん!!
後半の車のシーン楽しみだなぁ、、
今から公開が楽しみです。



家族ってどの家庭をとっても
似た境遇とかはあっても全く同じって絶対ないはずなのに、
まして西加奈子さんの書く家庭は少し特殊な境遇や構成のことが多いのに
毎回こんなにも心に響くのが不思議です。
毎回涙なしでは読めません。

ストーリーももちろんなのですが、
ちょっとした描写のちょっとした言葉選びがもう、、本当にファンです。


今回も私が響いた言葉を引用してご紹介させてください。

母さんが世界で一番幸せなら、父さんは宇宙一幸せな男だった。
大人になるというのは、1人で眠ることじゃなくて、眠れない夜を過ごすことんだ。
それは失敗してハチミツをひっくり返してしまったみたいに甘いドーナツや、絞る人がくしゃみをしてしまったみたいにたっぷりと生クリームが乗ったケーキ、
引っ越しのトラックが、母さんを、ミキを、サクラをどんどん引き離して行った。バックミラーに映るそれらは、馬鹿みたいで、厄介で、でも、僕にとって光だった。眩しすぎて、しっかり見ることが出来ない、虹色の光だった。

鳥肌が立ちます
本当に綺麗な日本語。

普段気づけない、家族は特別で唯一無二で暖かい存在であって、

でもそれだけで終わるのではなく、

自分は自分で、自分が経験すること感じることは、いくら家族でも代わることも正確に共有することもできない、もっと唯一無二な自分であるということが
じんわりと心に残ります。

家族のお話ですが、読み終わった時は
家族を大切にしよう、よりは
私もしっかり生きよう、という気持ちになりました。


ついでの小話なのですが、「プリンアラモード」という節があります。

その節中に
いつもプリンアラモードを食べる喫茶店の前でとある嫌な噂を耳にして、
そこからプリンアラモードを見るとその話を思い出してしまうから
その喫茶店にも行かなくなったし、プリンアラモードも好まなくなったというエピソードがあるのですが、

この現象なんか名前ないですかね?笑

とてもとても共感してしまいました。


その時いた街、その時いたお店、その時食べていたもの、その日着ていた服、その日待ち合わせに向かうまで聞いていた音楽
全部含めて思い出になります。

いいことの場合も、わるいことの場合も。

おそらく結構しっかりと覚えている方なんですね私。
嬉しかったことも鮮明に思い出すことができますが、辛かったことも図らずも鮮明に思い出すことも。

もう何年も前にスポーツで怪我した時のこと、
今でもイップスみたいなこともたまにありますし、

良い方向にだけ活用したいです、、笑

辛かったことも教訓にしろってことなんだなって自分に言い聞かせています笑

また好きな小説か一つ増えました。
映画化が楽しみ。


Sally




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