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喜怒哀楽な金曜日

僕は帰り際にビールを買った。


今週は本当に忙しかった。
様々なタスクが僕に降り注いできて
自分の仕事が回っていなかったからだ。

「お疲れ様」の意味を込めて帰り際にコンビニでビールを買った。

ビールといえば、最近お腹も凹んできており、だんだんと体重が減ってきた。
今朝計ったところ68.8キロ。

1.1キロダウンした。

日常的な食事に対する意識の成果だろうか。

僕は嬉しくなり、いつも会社で右隣の席のK先輩にそのことを話した。

するとK先輩はいつもより鼻を高くしながらこんなことを言ってきた。


「俺、昨日体重を測ったら69キロだった」


なるほど。

K先輩は僕とほぼ同じ身長だ。

2週間ほど前に聞いたときは71キロと言っていた。


そのときは70キロ以上の先輩よりは痩せているので内心安心していた。

しかし、69キロ

負けず嫌いな僕はすかさず反論した。

「僕は68.8キロ。先輩より200グラム少ないので

そうだ。ほぼ一緒とはいえ、数値の上では僕が勝っている。まだ負けていない。

それを聞いた先輩はその後、
何も言わずに満足げな微笑を口元に浮かべた。

その表情はまるで内緒の計画がうまくいったかのような得意げで狡猾な雰囲気を醸し出していた。

そんなやりとりをしながら仕事をしていると

いつも左隣で仕事をしている上司のYさん
デスク上のパソコンに繋がった大きなモニターを見ながら険しい表情をしていた。

眉間には深いシワが刻まれ、その顔は苦悩の色に染まっていた。
その表情は内なる闘争と葛藤が織りなす複雑なパズルのようで、解き明かすのは容易ではない。

「Yさん、、大丈夫ですか、、?」

僕は思わず声をかけた。

するとYさんは

「あぁ、ありがとう。今取り組んでいるプロジェクトで悩んでいてね。少し消極的になってしまっているんだ。」

なるほど、それは大変な状況だ。

しかし、僕の右隣にいたK先輩がYさんの指示に的確に答えていくことでだんだんとYさんの顔色が明るくなってきた。

Yさんは
「Kくん、ありがとう。君のおかげで前向きになれたよ。苦しい仕事ほど逃げずに立ち向かわなければね!」

僕はK先輩のフォローアップの動き方に感動しYさんの言葉に深く感銘を受けた。


その後Yさんは、先ほどまでの険しい表情はすっかり消え去り、暗闇から解放されたかのように明るく輝いていた。


そんな状況に僕の表情も同時に明るくなった。

するとYさんが大きなモニターの画面で何か検索をしている様子が目に入った。

そこには

「仕事 逃げない」

と書かれていた。

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