【2020年版】コンビニコーヒーを比べてみた 〜ファミリーマート編〜
さて、前回セブンイレブンのコーヒーの飲み比べnoteを書いた。
今回はファミリーマートのコーヒーを比べてみようと思う。
5年前の飲み比べでは、結構大人しい味だった印象。
さて、今回はどうだろう?
比較ルール
今回飲み比べるのはファミリーマートの「ブレンド」(¥100)と「モカブレンド」(¥120)の2種類(どちらもSサイズ)。
ルールは前回と同様
1. 砂糖もミルクも入れない“ブラック”の状態で飲むこと
2. 熱々の状態と、冷めた状態で飲むこと
3. 味の指標には井崎英典氏の「味わい判定表」(※)を参考にする
この3つ。
※15代ワールドバリスタチャンピオン井崎英典氏が著書『世界一美味しいコーヒーの入れ方』(ダイヤモンド社)にて提唱している指標で、苦味と酸味・濃度からコーヒーの後味を大まかに4つの分類に分けるもの。詳しくは同著を参照
比較:見た目
カップのデザイン
▲写真左から「ブレンド」「ブレンド(濃いめ)」「モカブレンド」
「濃いめ」って何?と思われる方もいるかもしれないが、ファミリーマートでは抽出時に同価格で濃いめを選択できる。
これはセブンイレブンには無かったシステム。
ただ、カップのデザインは通常と同じである。
モカブレンドは濃緑色に金文字。
セブンカフェが青地に金ロゴだったのと対照的だ。
またセブンイレブンがシンプルなデザインだったのに対し、ファミリーマートは文字の配置やフォントに凝っている印象だ。
また、「ブレンド」と「モカブレンド」ではカップそのものも異なり、「モカブレンド」は皮を模したようなエンボス加工がされている。
▲5年前はこんな感じ。2020年までにイメージが刷新されている。カップに“ESPRESSO”と印字されていることをよく覚えておいてほしい。
コーヒーの色
「ブレンド」と「ブレンド(濃いめ)」の間には殆ど差がない。
「モカブレンド」に関しては、写真では分かりづらいが他の2つに比べると油分が多いように見える。
一杯あたりの豆の使用量が多いのだろうか?
店内ポップ
ふわふわミルクの紅茶美味しそう…
キャラメルラテやココアやらフラッペやら、コーヒー以外のドリンクが充実しているのがファミマの特徴。
これだけ見るとコーヒーを全く推していないようにも見えるが
マシンそのものが店内ポップの役割を果たしていた。
味調節のシュガー類も完備。
全体的に色使いがポップで鮮やか。
比較:味
〈ブレンド〉
熱々の印象:苦味が強い
冷めた印象:かなりスッキリとした味わい
〈ブレンド(濃いめ)〉
熱々の印象:通常のブレンドとの差が分からない
冷めた印象:濃いというより苦味がちょっと強い味わい
〈モカブレンド〉
熱々の印象:はっきりと酸味を感じる
冷めた印象:まろやかな酸味と苦味
酸味を特徴的に感じるが、苦味も感じる
ブレンドの通常と濃いめとの差はコーヒーとアメリカンコーヒーの差ほど大きいものかと思っていたが、実際にはそこまで大きなものではなかった。
反面、モカブレンドは他の2種とは明らかに異なる味わいで差別化がなされている印象。
とは言え、全体的にコクや苦味を基本の味わいとしていたセブンイレブンに比べると、比較的スッキリ・まろやかな味わいとなっていた。
感想:「コーヒー感」はモカブレンド
コーヒーの味とはどういうものか、10人いれば10通りの感じ方があるとは思うが、例えば、現在世界的に高品質で美味しいとされるコーヒーを基準に考えるのであれば、ファミリーマートはそれを感じやすいと思った。
つまり、コーヒーの苦味だけでない複雑な味わい、酸味などが表に出ているように感じる。
個人的な好みで言えば、ファミリーマートの特にモカブレンドは結構好きかもしれない。
おまけ:カフェラテ?
さて、前もってファミリーマートのブランディングやプレスリリースを予習していると、2018年10月から導入された新コーヒーマシン(この導入時期もセブンイレブンと同じなのは興味深い)の特徴の一つは最新『ミルクシステム』による「ふわふわなカフェラテ」らしいことが分かった。
そこまで言われたら飲んでみたくなるので、飲んでみた。
▲サイズはMサイズのみで¥150
なるほど。確かに美味しい。
カフェラテではよく「フォームミルクが甘い」という表現をされるが、このフォームも甘さを感じる。めっちゃうまい。
素晴らしいマシン。
ファミリーマートがサンデンと協力して制作したそうな。
ニュースリリースによると
『ドリップ式抽出ですっきりとした味わい、きめ細かいフォームドミルクのカフェラテが特徴』
なんだとか。
…ん?
なんか違和感。
あれ?ドリップ式抽出なのに、カフェラテ?
一般的に、カフェラテはエスプレッソ式で抽出されたコーヒーにフォームミルクを合わせたもののことを指す。
(ドリップ式のコーヒーの場合は、「カフェオレ」と称されることが多い)
そして、このサイズのマシンにドリップ式とエスプレッソ式を両方搭載するのは恐らく不可能(っていうか、プレスリリースにしっかり仕様を載せているわけだが)。
そういえば、セブンイレブンのコーヒーもドリップっぽい味だったけど、カフェラテのメニューがあったな。
気になって、セブンイレブンのマシンの抽出方法を調べてみた。
結果、あった。
ニュースリリースの1行目、「ドリップコーヒー 」との記載。
なるほど。
日本のコンビニコーヒー、もしくは全自動マシンにおけるカフェラテの定義は、必ずしもエスプレッソを用いている訳ではないということか。
実は、5年前ファミマカフェが始まった当初はエスプレッソマシンを使っていた(前述の5年前のカップの写真にも“ESPRESSO”と印字されている)。
それが、この5年を経てペーパードリップ式に変更されたのだ。
これは端的に5年間のコーヒーの流行の移り変わりを示しているような気がしてならない。
誤解してほしくはないのだが、私個人の意見としては、「カフェラテにエスプレッソを使っていないなんて、けしからん!」とは思わない。
使用しているコーヒー豆の焙煎度合いによって、エスプレッソを用いたカフェラテに極めて近い味わいを再現していると思う。
マーケティング的な問題もあるだろう。今まで「カフェラテ」と称していたものを「カフェオレ」に変更することはかえって消費者の混乱を呼ぶ。
それでも「騙していたのか!」と糾弾するのは、「キャベツ太郎って名前なのにキャベツ入ってねぇじゃんか!」と同等の理不尽だろう(違うか)。
ただ、ファミリーマートはファミマカフェ開始当初からカフェラテはもちろんラインナップの豊富さや、商品ポップの鮮やかな色使いなど、ブラックコーヒーを求める層よりはよりライトにコーヒーを楽しみたい層へ向けてアプローチしていた。
にもかかわらず、ドリップ方式を変更して、ライトな層にも「きめ細かいフォームドミルクのカフェラテ」を、流行りの高品質なブラックコーヒーを求める層にも「ドリップ式抽出ですっきりとした味わい」を、どちらの層にも大々的に訴求しなければならなかった点に、コンビニの悲哀を感じずにはいられない。
全然話が戻るのだけれど、このマシン、ロール紙状にフィルターが内臓された構造となっていて、個人的にすごく感動した。
おそらく同系機の内部構造が掲載されているので、是非見て欲しい。
ちょっとこのマシンを分解してみたい一心でファミマのバイトを受けるのありだな…
▼Twitter、やってます。
〈参考文献〉
株式会社ファミリーマート ニュースリリース 2018年9月11日
https://www.family.co.jp/company/news_releases/2018/20180911_02.html
株式会社セブンイレブンジャパン ニュースリリース 2018年10月25日
https://www.sej.co.jp/company/news_release/news/2018/20181025_02.html
サンデンホールディングス株式会社 ニュースリリース 2018年3月16日
https://www.sanden.co.jp/topics/2018/0316.html
流通ニュース 2018年09月11日
https://www.ryutsuu.biz/commodity/k091146.html
流通ニュース 2019年10月31日
https://www.ryutsuu.biz/commodity/l103127.html
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