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死んだ細胞に金をかける女の昼下がりの情事。

ちょっと今日、ミステリアスで刺激的なタイトルじゃない?ぐふ。

先日、美容室に行ったらスタイリストさんが「1か月でめちゃめちゃ伸びましたね」って褒めてくれはりました。

そう、わたくし角刈りのオッサンが散髪にいく頻度で美容室に行きます。え? 角刈りはもっとスパン短いんかな? 知らんケド。
知らんクセに例えに出すのやめてもらえませんか? ごめんて。


髪の毛って、栄養が行き届いているか否かのバロメーターみたいな気がしているので、成長著しいのは誠に、ことほぎがことほぐではないか。と、褒められてええ調子になっていたんですけれど、そこでボソッと放たれた一言が

「髪の毛って死んだ細胞ですけどね」


えええええー!!
死んでたん? 白髪じゃなくても死んではったん? 知らんかったわ、知らんかったー。もうちょっとはよ、言うて欲しかったわ。はよ聞いてたとしてもたぶん何も変わらないけれど(なんやねん)。

と、ダイナミックに落雷がごとし新事実を聞かされ、もっとびっくりしようとしたままiPhoneで原稿書きに夢中になっていたらものすごい耳元で「失礼いたします」と、うら若き男性の声がして二度ビックリ。

え? なに? 近すぎひん? 何を失礼されんのん?!

と思ったら、カラーを塗り塗りされたあとのサランラップ、クレラップ、どちらかは不明ですが、塗られた髪の毛をラップ巻きしようと失礼したかったみたい。

はい、どうぞ。

って言うてないのにグイグイ始めはったから、おとなしそうな顏に似合わず積極的なのね。と思ったけど緊張のあまり指が震えてはってラップだけが宙でぐるんぐるんにもつれてエライことになったので、先輩女子がススススーっと寄ってきて流れるようにバトンタッチ、退場。チーン。

おつかれさまぁ~。


そのあと何分かチンして、あ、ちゃうわ。何分かラップしたままおすわりして、放っとかれてたらカラーが馴染んできたようすで、またまた、ものすごい耳元でかの人の声。

なんでそんなに近いん。
タイミングがおかしいねん。失礼するまえに「失礼いたします」やろ。失礼してきた上に近づいてから言うたら、ほんまに間に合ってないから。

まぁええか、けっこうイケメンやし(そこか)(そこや)。

そしてラップも巻けなかったこの春入社して研修を終え、配置されたとこですかー? とおぼしきかの人にシャンプー台へいざなわれると、期待以上のできごとがありました。


シャー(頭上でシャワーの音がする)

シャー(お湯加減、確認してはんねんな)

シャー(でも長くない? はよ、髪の毛を濡らして洗わんかい)

シャンプーが初めてなんかどうかわからへんけど、緊張してはってなかなか始められへんみたいね。そやんねー、ヒトサマの髪の毛に触るって狂気の沙汰やもんね、わたくしやったらようせんわ。せやけどお湯代ももったいないから、そこそこにして、はよしーやー。


と思ったその時、また、近づきすぎたラップ君の声が耳元でささやく。

「お湯加減、いかがですか?」


わかるっか!

髪の毛のさきっちょの方~ぉを、濡らしてはったみたい。


脚本で韓国デビューを目指す会社員です! もし、アタイをサポートしてくれはるのなら…あなたのおはようからおやすみまで笑いで見つめるライオンと化します(ガオー)