7.はじめての相手

無味無臭な顔合わせが3件ほど続いた後
ついに大人(※パパ活市場でいうところの体の関係）のお誘いが来た

プロフィールを見るからに普通の会社員

マッチングサイトに登録されている写真は３枚

すべて他撮りのもので、どちらかというとすべて無表情というか
そこに笑顔はなかったが、冷たい印象はなかった。

逆に着飾らないその表情に好感を覚えた。

”この人なら大丈夫かもしれない・・・”

メッセージのやり取りもそこそこに
実際に会う日程が決まった。

場所は六本木。
おしゃれなレストランに現地集合だった。

緊張しすぎて、デート前にトイレの中で
何回も体の毛の処理をしているか確認したり
化粧が崩れていないか確認したりしていた。

覚悟はしていたが帰りたくなった。

相手がレストランに着いたとのLINEが来たので
自分の意思を無視して、そこに向かった。

案内された席に座っていたのは、写真のままの男性。

ブランドものとわかるけれど上品なバッグや
身に着けている時計や靴から
そこそこ収入がある人なのだろうとたやすく想像できる雰囲気だった。

相手は私が席に着くなり
名刺を渡してきた。

私は戸惑っていた。