君には さよなら さえ言わずに

彼女と別れた。

特別なことでもない。

結婚を前提にお付き合いしていた割には、
別れをすんなりと受け入れられた。

一生、この人と一緒に過ごすのかを
真剣に考えた結果が別れだっただけ。

きっと私達はうまくいかないのだろう。
付き合って数ヶ月してからわかってきていた。

私はいろいろなメッセージを送った。
それに対しての反応を見て
交際を続けていた。

続けられるようがんばっていた。

でもうまくいかなかった。

タイミングがすれ違っていたのだろう。

正直、私は君と結婚したかった。

君からすれば
私である必要はなさそうだった。

お互いがお互いを必要としない結婚など
する意味がないだろう。

結婚観についてもすれ違いが多かった。

彼女は幸せになるために結婚する。

私はすでに受け入れた幸せがあって
どのようにアップデートできるのか
日々の積み重ねを大切にしたかった。

おたがいの人生観を尊重しあって
大変なときも乗り越えられる日々を
共有できればと思っていた。


残念ながらその相手は君じゃなさそうだ。


別れの数日前、私は寝る前に
涙が出てきた。

同時に、これが最期なのだと察した。
なんの涙かは分からなかった。

悲しさではなかった。


たぶん、
ひっそりと彼女に感謝した涙だと思う。


私の見えている景色は
私自身の鏡だという。


君に出会えたことに感謝の気持ちでいっぱいだ。
君はわたしの人生にとって必要だった。

だった。

もう、交わることのない、
別々の道を歩むけれど、
元気でね。


ばいばい。

ありがとう。


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