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ちゃんと別れよう 

そういえば、そうだった。

僕は別れたつもり、
もう、
付き合っていないつもりだった。

最後、お家を出るときの

ばいばい


すべてを伝えたような気がしたから。


そのあとのLINEも
全くなくて。

もう、いいかなと思って。

僕は、君からのLINEを待っていたんだ。

「無事、家ついた?」
とか
「来てくれてありがとう」
とか。


いつも待ってばかりで。


僕からアクションすれば
嫌われるから。





僕がありがとう
って言うと君はよく

「なにが?」

って理由を聞いてきた。

僕はそのたびに、
理由を言った。


今になってわかるんだ。

ありがとう
にいちいち説明求められる関係
って疲れるんだなって。


君には当たり前のことが
たくさんあっていいね


なんてことも言えずに。

みている世界も違えば
出てくる言葉も違う。

そう、
僕らは別々の世界を
生きていたんだ。


今、僕は

すこし切ないんだ。

すこし、寂しいんだ。


なぜかって?


ほら、今日、君から
LINEが来たじゃないか。


「ちゃんと別れよう」


って。


僕は、

うん

ありがとう

ばいばい


って返した。

まだ
言いたいことがいっぱいある。

楽しかった。
ばか。
会えてよかった。


僕は、送信をやめた。

そんなの当たり前だからね。
いちいち言わなくても
きっと大丈夫。


伝えられるときに
悔いのないように
全力で
伝えてきたじゃないか。



もう少しだけ
君のことを思い出させて
ください。

振り返ると
いい写真があった。

付き合いたての頃、
海に出かけた写真だ。

もう、
一年くらい前の出来事。


ありがとう


桜の花びらは散っていないけれど、

桜の花が舞い落ちるこの景色を

いつか僕たちは並んで見ていた

今ではそのほとんどが嘘になってしまった言葉を

心から伝え合いながら

back number 『はなびら』



これでおしまいにしようと思っていたら

君から珍しく返事がきてた。






こちらこそありがとう
頑張ってね






僕は返事をせずに
スクショをして
LINEを閉じた。


僕は今泣いている。



頑張ってね
なんて言われたことあったっけ?

珍しいじゃないか
君がありがとうを言うのも。



僕は、もう一回、
同じ人生を歩みたい。

君に会うためだったら。


ほんとうに
会えてよかった。


いいことばかりを
思い出す、
僕は

ばかな人間です。


ほんとうにありがとう。
君からの応援を待っていたんだ。


ばいばい


ありがとう




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