紅水晶の光の王
紅水晶を思わせる柔らかい光と
凛とした硬質感を持つその人は、
冬の晴れた日の朝、
夜の間に降り積もった雪が朝日を浴びてキラキラと輝くのに似ている。
時折風に巻き上げられて空気中に漂う氷の粒が
陽の光を浴びてキラキラ煌く。
パリパリと薄氷を踏んで歩く。
ただこの一瞬の為に。
色とりどりのビー玉があちらこちらにコロコロと転がっていて、
プリズムの光のように
あたり一面を鮮やかに染める。
一方硬質な王はその人自身を玉座に据える。
石造りの重厚な城の荘厳な広間に静かに坐す。
松明の明かりに浮かび上がる聡明な王は
じっと正面を見据えている。
いぶされた金色の叡智を宿した玉座に施された
決して華美では無くしかし緻密な細工が、
悠久の時を経てなお一層の威厳を醸し出す。
細密な絵画は休むことなく常に描かれる。
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