深く切り立った海溝の巨大な岩肌を見遣り
更に奥を目指し一直線に
一直線に
ただ深く
深く潜る
光の届かない世界
音の無い世界
拠り所なくただ深く
柔らかな暗闇の中に沈んでゆく
ざわめきは気泡となって
暗く青い水の中
白く眩い光を目指し
上へ上へと昇ってゆく
地上はどこか頼りなく見え
深く潜るほどに
朧げな表情は気色を変える
やがて蓄えられたマグマは
一直線に天を貫く
それは花火の様に儚く散り
辺りを青味がかったセピア色に染める
微かな光の奥に
様々な色に輝く
精製されない鉱石は
精製されないまま
複雑ではあるが
まして精錬である
チリチリと
光の音は鳴り続ける
微細な振動とを持って