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ドラムスティックの「握り方」←そもそも握ってはいけません! 指に引っかかっているだけです テキスト版 Moyashi先生のドラムレッスン 初心者〜中級者向け

あなたのドラムライフを最適化するドラムオプティマイザー、Moyashi先生こと持冨です。
もう10年以上専門学校で講師をしていますが、学生から話を聞くたびに、誰が広めているやら、演奏法についてのウソがあまりにも蔓延していることに驚きます。
今回はスティックの「握り方」についてですが、この最初に覚える内容がウソまみれなので、正しい知識に置き換えましょう。
それでは行ってみましょー!

結論から行きます。タイトルにも書いてありますが、スティックは握るのではなく、指に引っかかっている状態を作るのが正解です。スティックを「握る」という言葉は適切ではなく、スティックを「持つ」と言った方がまだ良いですね。
海外でもgripという単語が使われていますが、日本語の「握る」には「力を込める」というニュアンスが含まれているため、スティックと手に隙間が出来ないように持ってしまう人が結構います。
ドラムでも他の楽器でも、スポーツでも同じですが、身体を効率的に動かすには脱力することが必要不可欠です。力を入れてはいけないんですね。スティックを握ってしまうのはNGなのです。

まず雑誌やネットでよく紹介されている、スティックの間違った持ち方と振り方をお見せします。

親指と人差し指でスティックを持って支点を作り、このようにスティックと腕が真っ直ぐになるように構えます。

真っ直ぐ振り上げます。上まで振り上げたら手首を返しながら指を開き、振り下ろしながら指を閉じていく。

これはスティックを左右対称に持つマッチドグリップ、その中のジャーマングリップと呼ばれるものです。手の甲を上に向けて持つグリップと言われていますが…まぁ全部間違っているんですけどね。身体のつくりという観点から否定していきますよ。

最初に解説したとおり、スティックは握ってはいけないので、親指と人差し指で支点は作りません。支点を作るということは、その部分に力が入りますし、スティックを振るたびに摩擦が発生して、スティックの動きを止めてしまいます。
力を抜いて構えてみてください。指は開いていますよね?

ここにスティックを差し込んで、中指、薬指、小指の3本に引っかかっている状態、これが正しい持ち方です。

スティックを差し込む場所は2ヶ所、指先側(第1関節辺り)と手のひら側(第2関節辺り)があります。

指先側

手のひら側

この2つは各々の身体の使い方に合わせてチョイスするものなのですが、電車やバスで吊り革を掴んだり、スマートフォンで電話をするときに指先で掴む人は指先側、手のひらでしっかり掴む人は手のひら側に引っかけるとしっくり来ると思います。

いきなり指3本で持つのはかなり難易度が高いので、まずは5本全ての指で同じバランス、同じ力加減で持つようにしてください。
スティックは手の中で遊んでいるのが理想です。

次にスティックの振り方です。
間違った方法では、真っ直ぐ振り上げ、上まで来たら手首を返しながら指を開き、振り下ろしながら指を閉じる。
ではスティックを置いて、力を抜いて試してみましょう。

そもそも力が抜けていれば指は開いているので、指を開いたまま振り上げます。上まで振り上げて手首を返してみましょう。

あれ?指閉じませんか?
そうなんです、力が抜けている状態では指は閉じるんです。そしてそのまま振り下ろしていくと指は開いていく。
どうですか?脱力とは真逆のことが常識として伝えられているのです。
さらに言えばジャーマングリップはスティックを真っ直ぐ振りません。前腕の回転運動で振るのですが、ここを説明するとかなり長くなってしまうので、また次回細かく解説しますね。と言うのも実は常識とされているマッチドグリップはウソばかりでして。

マッチドグリップは
・手の甲を上にして構える、パワーの出しやすいジャーマングリップ
・親指を上にして構える、指が使いやすくスピード重視のフレンチグリップ
・その中間に構える、バランスの良いアメリカングリップ
この3種類があると紹介されていることが多いかと思います。これ、ほぼ全部ウソですからね!

これはほとんど知られていない情報ですが、本当はジャーマングリップとフレンチグリップにはそれぞれ2種類ずつありますし、アメリカングリップなんてものはそもそも存在しませんよ!
ちなみに僕は身体の仕組みや骨の動かし方からアメリカングリップを否定していますが、還暦を過ぎた大ベテランのアメリカ人講師の方も「アメリカにアメリカングリップなんて存在しないんだけど」と仰ってました。
常識って怖いですよね…しっかりと正しい知識を広めていきたいと思っております。


ドラムスティックの「持ち方」、いかがでしたか?
分からないことがあれば、コメント欄にコメントをいただければと思います。
それではまた次回お会いしましょう、お疲れ様でしたー!

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