曖昧な専門用語に共通理解を

専門用語、使えたらカッコいいですよね。でも何となく使ってるけど、どういう意味?と改めて聞かれると答えられない…そんなことありませんか?

音楽では「グルーヴ」←これ本当に厄介です(笑)。
大抵の人は「ノリ」という意味で使っています。グルーヴの語源は、「レコードの溝」という説が有力です。レコード針が溝を進むと、ゴキゲンな音を奏でてくれる。そこから聴いていて気持ちの良い演奏や、リズムパターン自体をグルーヴと呼ぶようになったようです。「イイ感じ」の演奏というやつですね。

でも何を持って「イイ感じ」なのか…価値観や好みによって違いますし、ちゃんと定義されていないので、結構曖昧なんです。だからみんな何となく「グルーヴが最高だね!」とか使ってしまう…これは何とかせにゃなりません。

「この人のノリ良いよね!」みたいな会話は普通にされていると思いますので、ノリ=個性と言えそうです。ということで、人それぞれの演奏、「個性」を定義してみましょう。同じ譜面を叩いた場合の「個性」です。フィルインは個性が出て当たり前なので、リズムパターンで考えましょう。

僕は「1拍の長さ+ダイナミクスコントロール+アクセントコントロール=個性」と定義しています。

同じテンポで演奏していても、1拍の長さは人によって違います。機械的なジャスト、打ち込みが最大の長さとなり、人間でジャストに到達している人は見たことがありません。
1拍の長さは、リズムを「押して取る」のか「引いて取る」のかが大きく、あとはフォームで長さに差が出ます。感覚の差ではなく、物理的な差です。これによってスピード感が変わるのです。

それからダイナミクス、音量のコントロール。各パーツのバランスや、曲の展開によってどの程度上げ下げするのか。ここは非常に感覚的ですね。

最後にアクセントコントロール。例えばハイハットを8分音符で刻む場合、打ち込みのように全ての音符が同じ音量で叩かれることはありません。必ず波ができますし、どこを強調するのかで聴こえ方はガラッと変わります。これも感覚的な部分。

僕はこの3つを足して「個性」と定義しています。つまり個性=ノリ=グルーヴと言えます。

よって、僕が「グルーヴが最高だね!」と言ったときは、「1拍の長さとダイナミクスコントロールとアクセントコントロールが最高だね!」と言っていることになります。

こんな風にちゃんと意味を決めて共通理解とすることができれば、ドラマーのレベルはもっと上がっていくはずです。僕はドラムを教える者として、情報発信を強化していきますよ!

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