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「不確定要素」が多い業務は「オンライン」の相性が悪い

こんにちは。佐藤奨(さとうつとむ)です。

感染症の影響で「リモート」で仕事をする人が増えている。

先月までは、外出の「自粛」を求められ、仕事目的の外出ですら、自粛を求められる状況で、自宅”でも”仕事が進められる会社やその部門で働くことができる人たちが、このタイミングで一斉に「リモートワーク」を導入しはじめた。

私は元々がリモートワーク

かくいう私も、このタイミングで自宅での作業が増えた。

会社はシェアオフィスに入居している。ただ、事務所機能を強く求める環境にないため、独立の準備のために会社員を辞めた2010年ごろから、事務所に行かないワークスタイルをしている。

2011年からシェアオフィスに入居しているものの、基本的には10年近く「リモートワーク」で業務をしている。つまり、リモートで、ほとんどすべての業務が遂行可能であると考えている。

そんな考えを持つ私だが、自分の会社員時代の「事務所」があることのメリットは感じているし、事務所はなくとも、打ち合わせにおける「対面」の価値を理解していた。だからこそ、出来るだけ実際に会う打ち合わせをしていた。

一方で、今回の緊急事態宣言で外出が出来ず、初対面の方でも、打ち合わせをオンラインで済ませなければいけなかった。宣言の直後こそ、リモートで問題なくいけると思い込んできたが、2ヵ月が経過した今だからこそ、対面の価値を改めて感じたポイントがある。

それらを踏まえた上で、「オンライン」における「業務」との相性を私なりに考えてみた。

「不確定要素」が多い業務は「オンライン」の相性が悪い

まず、結論から書く。「不確定要素」が多い業務は「オンライン」の相性が悪い。つまり、全ての業務をオンラインに代替することには課題を感じる。

事務所を構えていた職場が、今後、すべてオンラインに代替が可能か?と言えば、産業により向き不向きあるだろう。一次や二次産業はそもそも"全て"をオンライン化は不可能。無形物を扱う第三次産業は、オンライン化できることも多いが、特に「企画段階」の業務は相当工夫が必要だろう

”「不確定要素」が多い業務は「オンライン」の相性が悪い”、というのは、オンラインは、その性質上、すでに方向性が確定し、計画に落とし込まれ、振り分けられた業務一部分の「機能」に利用するのが向いている傾向だ。まだ方向性が確定する前段階の不確定要素が多い企画段階の場合、オンラインで進行していくのは課題が多いのだ。

今後、しばらく「密」の状態がつくりにくく、事務所などに集まることが難しい。となると”「不確定要素」が多い業務は「オンライン」の相性が悪い”特性がある中、企画からプロジェクトの推進が求められる場合、どうしたら良いのか。

それは、向かない相性をふまえた上で、どう環境を整えられるか?が課題となる。そうした不確定要素が多い業務をする上で、求められる環境をつくれるのか。プロジェクトの推進者は、そこも踏まえた上で練り込む必要が出てくるだろう。

オンラインにて、ZoomやGoogleドキュメント等のオンラインの仕組みで代替できる部分もあるが、それぞれ離れたメンバーに、どこをどう共有し、どうメンバーに落とし込むのが的確か?そこまで描き切ることが推進者にとって大切な視点となるし、そこまで想定し、対応しきれる人材は、今後、重宝されることになるだろう。

この状況で求められることを、個人スキルに落とし込めば「テキスト」が中心のコミュニケーションが得意な人は、集まりにくい環境でも重宝されやすいだろう。また、あらゆるオンラインツールを使いこなし、メンバーに的確に情報を落とし込める能力ある人は、チームの中で必要不可欠な存在となるだろう。

独力で「構想」できる中心人物がいれば企画面は問題ない

ぶっきらぼうな言い方をすれば、この集まりにくい状況の中で勝ちやすい組織の仮説だが、ある程度、独力で「構想」できる中心人物がいて、一箇所に集まらずとも、社内外チームをつくれ、行動に落としみプロジェクト推進するメンバーを抱えられる「個人」とか「体制」がつくれる組織になってくるだろう。そういう人物がいる組織は強くなると想定される。

なぜ、そうなるか。Zoomなどビデオ会議は、リアルの会議と異なり1対多方向に向く。つまり、議論に向かない。独裁的とまでは言わないが、少数の「構想できる個人」が、それを「外部に落とし込む体制」の方が業務が推進しやすいのだ。「構想できる個人」がヒット率高い企画を出せるか?が勝負を分ける傾向と言えるだろう。

三次産業の無形領域は、これまでのように、チームで(同じ空間で話したしして)一緒に考える体制が根付く組織だと、「不確定要素」が多い業務は「オンライン」の相性が悪い、という課題に向き合うことになる。

少数の才能ある「個人」を、まわりが落とし込む体制が整えられるなら、オンラインの相性が高く代替できる部分が多い。つまり強い個人の力がさらに膨らむ領域。

逆に、”みんなで一緒に考えよう”的な風潮のチームで、オンラインツールを使いこなせないようなチームは、何も物事が決まらず、プロジェクトが進まない。こういうチーム体制だと、オンライン向きではないので、コロナの影響が継続していくにつれて、どんどん組織の状態が悪くなる可能性があるだろう。

こうした、みんなで考えるのが基本となった風土の組織だと、業績に影響が出るレベルだと推測する。プロジェクトの推進での課題が膨らむことだろう。

今のように、同じ空間に、集まりにくい環境が続くなら、「個」で構想できる個人を抱えている組織が強くなる。

こうした組織なら、オンラインで相性の悪い「不確定要素」が多い業務も進められ、このコロナの影響を乗り越え、プロジェクトを推進していくと考えている。

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