〈詩〉0.2のふとん


床を食ったぼくのペット
あちこちに穴があいて
食うとは思いもしなくて
まいっか
そのまま寝そべった

脇の下を通る
4700時間前の風は
ぼくのペットにおやつをあげる
食うペット
食うペット

ペットの名前はハチウという
爬虫類で背中が鉄色
手は透明なピンク

人口的なサボテンと
ぬるい風に当たり続けたコンクリートの
サボテンを見くらべて
どっちが好きか尋ねた
「白」とだけ言った

自然に強化された太ももが
重たかった

「スマイルラインていうんだよ」
となりに居た酔っぱらい
そっか

階段を登るのをやめて下った

何度か通る道
崖に這ってる植物に花が咲いて
それがバラだと気づく

下った先の河川敷
じゃりの上うつぶせ強く胸をあてる

ぼくのまちがい
4700時間
白になる
黒になる
どっちになっても
食べれない
流すこともできないぼくの
まちがいさがしに
0.2のふとんをかぶせた

ハチウは張りつけなくなって
どこかに行ってしまった
バイバイハチウ


鏡をみた
ふとんをかぶせたぼく
腕を広げたらモモンガみたいで笑った

そんなことでぼくは次にモモンガを飼うことにした



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