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発達障害とパソコンスペック

 実は、初夏のあたりから、5年愛用していた surface の ctrl キーが壊れて、とても不自由していた。ショートカットを使えないのは、作業スピードに大打撃。

 (もしかしたら昔の私のようにご存じない方もいるかもしれないので)たとえば [ctrl + x]→キリトリ、[ctrl + p] →ペースト、なわけですが、何より [ctrl + z] →ヤリナオシ が、ヤリナオシアイコンのないページ(noteもそうなのです)でできないのが、ADHD傾向が強くヒューマンエラーの塊みたいな私には、致命的だ。

 ヤリナオシの利かない作業、ヤリナオシの利かない人生。
 そんなのはあってよいはずがない。

  新しいタイプカバーを買うか、PCを買い替えるとしたらmacにするか、windows残留か…優柔不断を3か月ほど引きずって、先日ようやく近くの量販店に足を運んだ。

 江戸っ子ですか、と尋ねたくなるようなちゃきちゃきした喋りのおにーさんが、接客してくれる。おにーさんの親切な接客のおかげで、ある程度のスクリーンサイズと持ち運びを優先した結果、surfaceのラップトップにすることにした。

 つづいて私のパソコン用途を説明して、スペックをどうするか相談していたら、こんなことをおっしゃった。

「wordと翻訳ソフト、それに辞書や調べもののインターネットを開くんですね…それぐらいなら、core-i7じゃなく、corei-5でも大丈夫でしょう。今のsurfaceの場合、クアッドコアと言って、プロセッサが4つ入ってるので。つまり、脳が4つ

 (同じく過去のわたしのようにご存じない方もいるかもしれないので)プロセッサというのがコンピュータの脳のようなもので、インテル製のだと、core-i3, core-i5, core-i7 の順に、頭がよくなるらしい。つまり、処理能力が高く、速くなる。

 でも、そこだけ見ていてもだめで、ディュアルコア(だったかな?)だと脳が二つ(!!)、先ほどのクアッドコアだと脳が四つ(!!!!)。だから、例えばcore-i5の速度を1、core-i7の速度を2としたら、

core-i5のクアッドコアの速度=1×4=4
core-i7のデュアルコアの速度=2×2=4

 で、おんなじ速度、ということらしい。

 脳が4つか…きぶつじむざん(@鬼滅)みたいだな…と漏れなく思いつつ、話はメモリにつづく。

 メモリ(RAM)は、ご存じのとおり作業スペース。人間で言うとワーキングメモリに当たる。同時に、どれだけたくさんのことを処理できるか。8GBと16GBで迷ったが、前述の用途を鑑みて8で十分でしょう、ということなので、素直に8にした。(何よりi5で16GBだと、カラーが黒で可愛くない)

 そこで、わたしは考える。アンバランスな自分の脳を考える。

 私の脳は一つしかないけど、一つの脳に低スペックなとこと高スペックなとこが混在してる。…というのが、今年の3月に知能検査を受けてみてわかった。core-i3のとこと、core-i7のとこと。そういう意味で、むざんさまじゃないにせよ(笑)、脳を何種類か持っている、って思っても考えてもいいのかもしれない。

 i7の部分は、i7として機能したい。でも、全体の働きは、i3の足並みにどうしても引っ張られる。歯がゆい。日々、思ったようにできなくて、悲しい。

 そして決定的なのはRAMの方だ。少なくとも、i7をスムーズに稼働できるワーキングメモリじゃ、ないようだった。

 core-i7をクアッドコアで搭載し、RAMが4GBだったら、きっとi7クアッドは能力が発揮されず、悔しい思いをするんだろうな。

 …と、思わず、そんなスペックがあるのかもわからないパソコンに感情移入しながら、私は念願の、コントロールの利くパソコンを、家に持ち帰った。

 日々の歯がゆさ、が降り積もって、私の脳にはまた、ファンの冷却音が重くヴーン…となり続けるような状態が、戻ってきてしまっている。思い通りにならないこと、それを受け入れて、許容して、切り替えて、をするには、ピカピカの心の免疫力が必要だ。うっかりと失敗というストレスの攻防にさらされ続けて、免疫力が負けてしまった。受け入れて、許容して、できるようになったと思ったのに。えーーん

 今はもうちょっと元気を貯めて、そうしたら、私のi7の部分が、一番発揮される環境を模索することを、再び始めよう。

 私に限らず、脳の発達凸凹がある人にとって、環境調整は、優れている部分の能力を発揮して心身共に健康に暮らすために、必要不可欠だと思う。

 理想郷のような場所を、時々思い描く。

 それは身近にないことが多いけれど、あきらめず、生きて手を伸ばし続けていれば、いつか手が届くと信じたい。

 

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