ミミックと記憶のブロック
もやがかかったようにどうしても思い出せない記憶の群れがある。
それは私にとって大事な意味をもつことなのは分かっていて、関わった人の顔やシーンは断片的に浮かぶのだけれど、彼らの名前や、周辺の固有名詞をつついてみても、引き出しはまるで何かが挟まったように口を開けない。
もしくは、内側から鍵がかかっているのかもしれない。
ブロックってやつか。
どうして、私はこの記憶を
大脳新皮質の表層から締め出してしまっているのだろうか?
∫∫∫
この記憶の群れたちは、時が来たら、ふいに獲物を得たミミックのようにギザギザの歯がついた大きな口を開けて、私を飲み込もうとするのだろうか?
私はそれを知っていて、古の魔導書が入っている可能性にワクワクしながら
そのミミックをパンドラしてしまうのだろうか?
ミミック上等。
やっぱり私は、古の魔法の発見を密かに期待しながら、旅を続けたい。
🌟ヘッダー画像は、16know_en さんの素敵なイラストから、一部を拝借しました。ありがとうございました。
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