すかすかの予定が、向いているひと。
故障してくると、わたしの脳は処理速度が極端におそくなる。
どうして、打てば響くような応答ができないのだろう?
どうして、人に何か言われても、頭真っ白なんだろう?
「適当に受け流す」というプログラムは搭載していない。
だから必死の応対は相手の言うことを全て肯定する。
自分がどう感じているかを、慎重に自分のペースで吟味することもないまま
「はい、そうです、ありがとうございます」
それでも、真面目に聴いているのか、と怒られる。
それにしても、我ながらなんて乏しい語彙力。
――責めるなかれ。
どうか、わたしを、責めないで。
どうか、自分を、責めないで。
それは、ちゃんとあるけれど、ただ奥底で眠っているだけ。
コミュニケーションの手段が、一般道路の速度についていけないだけ。
脇道や獣道を、ゆっくり歩いていれば、それは問題にならないはずなのに。
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誇るべきはすかすかの予定
すかすかの予定を許す自己理解と、
それを可能にする理性と実行力。
「できる人」への憧れは、
できないからこそ強いけれど
そんな理想的な活躍よりも
わたしの喜びと安寧が、
世界の平和をつくる
と信じたい。
この、生産性という尺度の向かない特性を
また、愛でられるまで。
12SEP2020
-satomi
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