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あまりにも酷いお金の話【無料記事】

次の朝、叔父からメールが来た。


継母に電話をしたいが何時頃が都合が良いだろうか…と。
父が頼んだ事で何か継母と話がしたいのだろう。
その日は深夜の仕事があったので私は体を休めようとコンビニ勤務の後は家で仮眠をとっていた。
風邪がかなり悪化していてしんどかった。
夕方近くに継母からの電話で起こされたのだが内容を聞いて震え上がった。
今更ほじくりかえされる事になった立ち退きの際に入ったお金…
私がヒカリを妊娠し、実家と連絡を絶っていた時の話なので詳しい事は一切知らない。
あえてたずねた事も無い。
そのお金がなんと8000万円近くあったとその日継母に聞かされた。
祖母はボケてなんかいないのだ。
叔父は金額を知っていた…
だから
「おばあちゃんは全然おかしくなんか無いよ」
とメールをよこしたのだ。
8000万!!2000万足したら1億だ!!
そんな大金が自分の親の手に渡っていたなんて!!
しかもその頃といえば私が生きていくのが困難な程お金に困っていたあの頃だ。
さすがに引いた…
どん引きである。
私に関係の無いお金である事には変わりない…
それにしても8000万円って…
妹と弟はそのお金で私立大学に行かせてもらい、私はお財布に100円しか入っていない中で内職をしていたのか…
いくら自分が選んだ道とはいえ、娘がどんな仕事をして子供を1人で育てて居たか、薄々は気づいていた人達の行動が、その娘には引越し先さえ知らせずに8000万円持って引っ越したと言うのか…
継母は慌てる私に詳しい事を話し始めた。
そして私は、どん引きを通り越し今度は真剣に血の気が引く事となった。

父は継母の実家から多額の借金をしていた。
その事は昔聞いた事がある。
それを含め、借金の返済で何千万単位のお金が消えたと言う。
残りで土地を買ったが家を立てる程のお金は残らなかったらしい。
そしてその土地は隣の家との境界線で裁判になり家を建てれないまま数年が経ち、結局は妹と弟を私立大学に入れた事により家を建てずに土地を手放したと…
父の商売での収入は実際は家賃にも満たない程度であり、そのお金を切り崩しながら10年近く生活してしまったから妹と弟が大学を卒業したらそのお金も底をつく…
それが8000万円の行方であった。
そんな事を今更祖母にどう説明出来ると言うのか…
継母は父の生命保険の説明も始めた。
私は
「うん…うん…」
と、ただひたすら食い入る様に継母の話を聞いていた。

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