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8woman NextStage 西田幸樹×エイトマン写真展

昨年も同時期に開催されていた、西田幸樹がエイトマン所属の女優を撮影した写真展。

8woman エイトマン×西田幸樹写真展 (2021.11.01 記)
8woman エイトマン×西田幸樹写真展(再訪)(2021.11.06 記)

伊達や酔狂の NextStage ではなく、予想を遥かに超えるとんでもない空間になっていた。

今年撮られているのは、葵つかさ、吉高寧々、美乃すずめ、鷲尾めい、桃尻かなめ、つばさ舞、五十嵐なつ、八蜜凛の八名。
葵つかさ、次いで吉高寧々が別格としての扱い。

服を着ていたり、そうでなかったりするのだけれど、誰かの為でなく、写っているその人の為の写真になっているので、見ている側としても心に立つさざ波が負の方向に振れない。 美しいものの美しさを、素直に汲み取る写真。

前回と同じく、塞げる窓は全て塞いで外光を遮り、スポットの光だけの薄暗がり。
スポットライトの数、「同じくらいですよ」との事だが、増殖しているような気がしないでもない。

全てのスポットライトには、内側が黒の羅紗紙、外側が白のケント紙になっている筒が付けられ、照らす範囲が狭められている。
そして当てたい場所によって筒の長さも調整。

てな事をメモしていたら、裏に入った西田幸樹がラシャ紙とケント紙を持って出て来た。 調整は続く。

B0とかB1とか、そんなレベルではなく、壁一面のプリントが其処此処に。
八人の群像が等身大とか、背丈以上の大きさの顔とか、そんなレベル。

エントランスの先の第一室は通路側の窓を塞ぐタペストリー、壁三面、そして床一面。 天井以外の五面を写真に囲まれる。
浸るどころではなく、写真の中に取り込まれも溺れる恐怖すら感じる。

エントランス含め撮影可の写真が、壁面として数か所に。
広角で引かないと全体が入らないので、「接写NG」とかそんな注意は謳いようがない。
そしてこの大伸ばし、カラーコンタクトの印刷が見えるくらいまで、髪の毛の一本まで解像。
引いた時に見えていた絵とは別のものが、寄る事で見えて来る。

引いて見られるところには大伸ばし、袋小路や隘路になっているところ、距離の取りにくいところには小品を配置。
この小品がまた良い。 寄って覗き込むように向き合う事を想定した配置、そしてそれに合わせた写真の選択。
順路らしい順路は設けていないが、入ってきた人がどう動くか、考え抜かれている。

入ってしばらくは、あまりの事に引き笑いが止まらなかったのだけれど、落ち着いてくると恐ろしさのようなものがやって来る。
見るだけでなく、体感するものとしての写真展として、考え抜かれており、発想を形にする試行錯誤も尋常ではない。

別の写真展を見に行く予定も組んでいたのだけれど、受容と咀嚼、消化が間に合わないので、飽和した脳を抱えて帰宅した。
恐ろしいものを見た。

(2022.11.20 記)

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