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かるふわ

たくさん。

降ってくるのは、いんせき。

これが明晰夢なのは理解。

隕石夢。

落ちる。

わたしの目の前に、ひとつ、ふたつ。

みっつめ。

足許は塩湖、のような鏡面。

ぼちゃ。

と隕石衝突。

同時、

重なった塩の層、もりあがる。

こじんまりクレーター。

イマジン。

奏でられるコード。

イマジネーション。

メモリー。

細かな隕石を想う。

雨のように隕石。

わたしの髪が、

憧れだったふわふわヘアにはやがわり。

髪に絡む、隕石。

髪、石、髪、

意思、神、遺志。


「遺志?」


遺志という言葉がやけにしっくりきて目を醒ます。

どうやらここは、オゾン層のようだった。

眼下、青い地球をキャンバスに赤い火球が無数に線を描く。

今日、どれだけの数の遺志がのこったのだろうか。

そして、その遺志を継ぐものはまだ残る余地があるのだろうか。

気がつけばわたしにふわふわヘアはなく、

ふわふわの塊になっていた。

あまり意識したことはなかったが、

思いのほかふわふわに想い入れがあったのかもしれない。

夢から醒めたあとのふわふわは、

かるふわで、

どこまででもゆけそうな、

たゆたい。

Kise Iruka text 109;
Meteorite dreaming.

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