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【アトツギの為のブログ】アトツギの為の先代攻略法

■先代の立場

先代と上手くいくためには、まずは、先代の立場を理解する必要があります。

先代が世代交代して、完全に会社から去ってもらえるのであれば問題は無いのですが、大体の場合、会長や相談役となり、一定の割合で影響力が会社に残ります。

また、先代が社長でアトツギが専務などのNo2である場合もあるでしょう。

いずれにせよ、会社の中では先代は経営者であり、アトツギから見れば上司になると言うことになります。

しかし、同じ取締役などで、アトツギも先代も経営者であることに変わりはないと言うことが多いと思われます。

そう考えると、先代は既存のスタッフ、特に役付のスタッフには今までの尊敬される自分でいたいという気持ちが必ずどこかにあります。また同時に、既存のスタッフにはアトツギについてくるスタッフより優遇させてあげたいという気持ちがどこかに必ずあります。

そのような心理状況の中、アトツギに徐々に経営を任せていきたいものの、アトツギにまだまだ任せてはおられん!と言う気持ちがどこかにあることも間違いありません。

特に、リスクを背負って新しいことに取り組む必要性すら無いという考え方が先代の場合は強いと思われます。

しかし、アトツギは、会社を発展させるためには、新しいことに取り組んで変化に対応していく会社経営を実現させたいという気持ちがあるのも事実だと思います。自分の手柄のためにも、です。

そういう状況の中で、家に帰ればアトツギの親であるという立場でもあります。

子供がいるアトツギならば分かるとは思いますが、親はいつまで経っても親であり、子供は年齢で親を抜くことは絶対にできません。また、日本は家督という制度が昔有ったからなのか、家の長が物事決定するという文化習慣がまだ根強く残っています。

そう考えると、いつまでも親であり、上司であり、既存のスタッフからは尊敬されたいしかわいがってあげたいという心理があり、同時に、まだまだ後継ぎに全てを任せるには早いとも思っているという立場であるということを理解する必要があります。

■先代を持ち上げながら徐々に権限を委譲して貰う

先代の中で、頼られなくなる寂しさというものもあるでしょう。今まで、社長として決断は全て先代が行っていたわけですが、突然、世代交代によって決断が必要な相談が無くなるのは寂しいはずです。

なので、先述の先代の立場と共にアトツギは考えてあげないといけない要素の一つになるかと思います。

そこで、是非、先代と話をして頂きたいのが、取締役会および各取締役の決済権のルール作りについてです。

取締役会の役割と権限、取締役の役割と権限、常務取締役の役割と権限、専務取締役の役割と権限、代表取締役社長の役割と権限、取締役会長の役割と権限、など、細かく設定する必要はありませんので、ある程度、大まかにどの段階でどういう役割と権限があるのかをはっきりさえておいた方が、将来、家族以外のスタッフが役員になった時にも重宝するでしょう。

取締役会と取り締まりの役割と権限をまとめることができれば、全ての判断事項でアトツギに全て権限を委譲すること無く、段階的にアトツギに権限を委譲することになりますので、先代の寂しさや先代の立場などに配慮しながら、後を継いでいくことができます。

■取締役と取締役会

中小企業では、取締役会設置会社が多いと思うので、ここでは取締役会設置会社向けに話を進めていきます。

まず、取締役は、株主総会で承認を得て選任されます。次に取締役会で承認を得て正式に取締役に就任することができます。

次に、代表取締役は、取締役の中から選任され、株主総会で承認を必要とします。

また、常務、専務、社長、会長などの社内での役については、特に法律で決まりがあるわけでは無いが、基本的には取締役会で議論され、取締役会の承認を得て役を与えられると言うことが多いと思われます。

取締役や代表取締役は、株主総会での承認が必要です。ここで少し考えないといけないのは、取締役や代表取締役は、株主によって承認、非承認されると言うことです。

中小企業において、ほとんどの場合、株主は先代である親ではないでしょうか?

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