自分に向けられる声 #12
披露宴の最中も
彼を目で追っているわたし。
彼はどんな気持ちかな。
目が合わないかな。
話しかけられるかな。
ずっとそんなことを考えていた。
そうこうしているうちにお開きになり、
彼が友人と話していたこともあって
タイミングが合わず、
話しかけるのを諦めて外に出て、
旦那さんのお迎えを待った。
そこへ、彼が友人と一緒にやって来て、
話しかけてくれた。
「元気だった?」
直接話したのが、
付き合っていた頃以来だったから、
話しかけてもらえただけで嬉しかった。
今日の結婚式のことや
仕事のことを少し話したあたりで、
もうすぐ着くと旦那さんから連絡がある。
彼も「じゃあね」と帰って行った。
笑顔でいよう、
またいつか思い出してもらえるように。
わたしも笑顔でバイバイをした。
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