悪役列伝③（マイケル・ピッチャー）
昨日、一昨日と休みましてね。妙なもので、時間が空くと逆に作業って捗らないんですよねぇ(苦笑)。今日のnote、ダメかも……でも頑張って書くから最後まで見てね。トマリです。
冒頭から弱気な今回も、過去二回に引き続き、悪役列伝と題して、『The Biker』の敵キャラクターを紹介・解説するコラムとなります。今回のテーマはズバリこの人。
マイケル・ピッチャー。EPISODE-05に登場した強敵です。01～04まで、バケモノ相手に、実力的には優位に立ち続けてきた〈バイカー〉にとり、明確に「勝てない敵」として現れた彼。そんな彼について、掘り下げて参りましょう。
例により、ネタバレを含む内容です。事前情報抜きに見たい！という方はこちらのチャンネルからどうぞ。『The Biker』、新京市という架空の都市を舞台に、バケモノたちと日夜戦うヒーロー（〈バイカー〉）の活躍がここに。
①概要
普段とは毛色の違うBGMから始まる回想。物語は二年前に遡ります。その頃、自殺を仄めかしたスレッドの投稿者たちが相次いで失踪していたのです。
犬居 仁は、このとき初めて出会った梅小路 御冬と共に、行方不明者と関わりが深いと見られる、イタリア料理店の店主を訪ねます。
店主の名前は、マイケル・ピッチャー。妙に片言な彼は、前歴に暗い過去を持ち、その正体は〈守護聖人〉と呼ばれる人知を越えた存在でした。行方不明者たちは、このピッチャーの手で殺害されていたのです。
〈守護聖人〉は超能力を持つ存在。戦うにしても準備がいる。御冬は仁と共に一度引き下がる道を選びます。しかし、自殺に悩むある女性がすれ違いで店に入ろうとしていたことを知った仁が、無策で引き返してしまい……
②プロフィール
01～13に登場した敵の中では最高齢。また、唯一、外国人の敵でもあります。
イタリア料理店の店主。本編中で彼が料理を作るシーンなどは流石にありませんが、後のストーリーでもこの店は登場しています。
ピッチャー最大の特徴は、この病気。彼は若い頃にハンセン病を患い、顔が歪んでしまいました。詳しくはあえて語りませんでしたが、辛い時代があったことを、現実のハンセン病患者の方のエピソードを交えて示唆しました。
その苦しみを、〈神〉に救いを求めたピッチャーは、〈守護聖人〉として覚醒します。
③性格
ピッチャーの考え方はある意味では狂気、しかし、まったく分からない話ではなくて。
キリスト教では、自殺は悪。これはピッチャーのいる新興の宗教法人〈神の子の受難〉でも同じで、しかし「死にたい」人を無闇に生かすのは如何なものか。
ピッチャーは自殺志願者たちを殺し、彼らに幸福な〈神〉の世界へと送るという、ピッチャーなりの「愛」を込めた行動をしていました。
紛れもなく、現代倫理からすれば、狂った存在ではあります。が、彼には彼なりの正義があったと。それだけは強調しておきたいですね。
④能力
〈守護聖人〉は、植物の姿をしています。ちなみに、何故、ヘイシソウなのかというと、ピッチャーの誕生花だからという割と安直な理由です(笑)。ま、誕生花にした理由の話はちゃんとありますが、それはいずれやる〈守護聖人〉や〈神の子の受難〉の解説回に譲ります。
今回はピッチャーの能力にのみ、着目すると、
目を閉じている間だけという限定付きではありますが、サイコキネシスと透視、そして人の心まで読めるという……万能といっていいもので。また、
作中では、あまり詳細には描きませんでしたが、ヘイシソウという食虫植物らしく、穴に取り込み、人を消化する能力もあります。
⑤モデル
モデルという言い方が適切かは分かりませんが、ピッチャーは〈聖フランチェスコ・カラチェロ〉に相当する存在と位置付けています。
どういう事かというと、キリスト教には洗礼名という、キリスト教徒としての名前があるのですが、新興宗教〈神の子の受難〉の〈守護聖人〉は、実在の聖人から洗礼名を拝借していまして。かつ、その聖人の命日に生まれ、聖人の誕生日が命日になるという宿命を背負っています。
カラチェロは、残念ながら日本語のウィキペディアのページもない人物なのですが、「ハンセン病」「イタリア料理」など、ピッチャーの設定は彼を元に考案しました。最初はカラチェロの最期に模した死に方を、ピッチャーにもと考えていたのですが、悩んだ末に見送りました。
⑥あとがき
いかがでしたか。宗教や病気など、難しいテーマに挑戦したEPISODE-05。その敵役である以上、今回の解説も色々と悩みながらの執筆になりました。どう考えても、病み上がりにやることじゃないな(苦笑)。ま、自業自得ですが。
さて、次回の悪役ですが、順当にEPISODE-06から、この人を。
湯尾 守。リングネームは湯尾 塵外。とても〈バイカー〉と渡り合う力などない彼が、如何にして〈バイカー〉に抗ったか。そんな話を来週、書いてみるつもりです。お楽しみに。
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