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GINZA SIXの蔦屋書店とすてきな雑誌

とある日、午前中に就活の面接があったのですが、午後はせっかく身支度しているのだから…と外出しました。行き先はGINZA SIX 6階の蔦屋書店。
本や雑誌をゆったりと読みたいなと思い、ネットで「ブックカフェ」と調べたところ出てきました。

蔦屋以外にレストランやカフェもいくつか入っており、スターバックスで本を読みながらくつろいでいる人たちも多くいました。

(出典:銀座 蔦屋書店 公式HP)

私がこの蔦屋で面白いなと感じたのは「選書がいい意味で偏っていること」。

「アートのある暮らし」をコンセプトにしているようで、実際に置いてある書籍のジャンルは主に、アート・写真・建築・旅・食・(少しだけ)文芸でした。

本棚の一部やフロア中央には、絵画や彫刻、工芸品が展示されていて、アートと本の世界とを知らず知らずのうちに行き来している感覚です。
(そのため、実用書や自然科学系の本を探しに来る人たちにとっては、少し路線が違うかなと思います。)
ジャンル問わず本をぼんやりと眺めたい人、クリエイティブな刺激を受けたい人にはとてもおすすめです。

私がここで手に取ったなかで、ユニークで印象的だった雑誌2冊を紹介します。

『SPECTATOR』51号「自己啓発のひみつ」

(出典)SPECTATOR WEB STORE

一冊目は、インディペンデント雑誌のような外観とちょっとざらついた紙質に惹かれて手に取った『SPECTATOR』。
内容は次に引用しているように、「国内外の自己啓発メディアの発生や広がりをたどってみよう」というもの。

「これを読めば、あなたの人生が変わります」
そんな甘いことばで誘い、心を惑わす自己啓発メディア。
自分とは無縁だと思っていてもSNSやアプリを介して届けられ、気づかぬうちに〝自分みがき〟をさせられていたりするから、やっかいだ。
自己啓発の文化は社会にも深く浸透している。
自助、教養、自己肯定感、ポジティブシンキング…。
成長や改善を促すこれらの言説は、いつどのようにして根づいたのか? 
ルーツを辿ってみると、そのタネは明治の頃に早くも蒔かれていたことが…。
経済低成長時代に入り、いっそうの努力や向上が求められる社会のなかで、ひとり迷子にならないために、いま知っておきたい自己啓発のひみつ。

(出典)SPECTATOR WEB STORE

私は大学院での授業を通じて「常により良い自分を目指す」という自己啓発的な価値観は普遍的なものではなく、社会的に構築されたものだと考えるようになり、そういった言説からはちょっと距離を置いていました。(この話は長くなるので、また別の機会に…。)

この雑誌は、自己啓発メディアを批判するわけではなく、丁寧にその発生や展開を紐解きながらも、私が抱いているような違和感にもきちんと向き合ってくれています。
書き手の主張が出過ぎることなく、でもちゃんと意図が分かる絶妙なバランス、お堅いトピックを中和してくれる素敵なイラストや漫画…。

インディペンデント雑誌のような眺めるだけで楽しくなるデザイン、それでいて内容も充実してユニークな切り口、かつ読みやすい雑誌を探している人に特におすすめです。


香港の雑誌『BranD magazine』No.67

二冊目は、Sendpointsという出版社(香港)による雑誌。表紙に惹かれて「ぜひ買いたい!」と思ったものの、中身が見られないというのと、この重さを韓国に持って帰るのは厳しいということで、泣く泣く思いとどまりました。

この雑誌は、「お茶」「デジタル時代の印刷の力」「Neo」(?)といった様々なテーマを取り上げ、それらがデザインやブランディングコンテンツとしてどう表現されているのかを紹介するもののようです(中身を直接見てみたい…)。

最新号は「Love and Peace」。Kimi というアーティストの方のLoveがストレートに伝わる、エネルギー溢れる表紙が印象的でした。

(↑ これは表紙の絵ではありませんが、この色合い好きです)


実はこの日、なんとなくモヤモヤして気分が晴れなかったのですが、興味の赴くままに本や雑誌を手に取り、静かに向き合っているうちに、すっかり元気にすっきりとなっていました。

やっぱり本と雑誌、それを取り巻く世界は素晴らしい。


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