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ソウル日記 ❘ 何でもないけど、きっと懐かしくなる日

ソウルはすっかり秋めいてきた。夜は20℃を下回っている。日本だったら金木犀の香りがし始めるのかな、と少し恋しくなった。

近所をふらっと散歩

昨日はとても良い一日だった。午前中は適性検査とインターンを済ませて、午後は友人たちと出かけて…。

巷ではもうすぐ内定式があり、早い人では25卒の学生も就活をはじめる時期に私はまだ適性検査を受けている。私の姉もなかなか内定がもらえなかったけれど、彼女の記録を抜いてしまった。もう9月も終わる。

昨日の適性検査はオンラインだったのだけど、今までで一番厳格だった。まず試験官と一対一でビデオをつなげ、私が受験している部屋の様子を360°映す。窓がある場合は、カーテンで覆わなければならず、私は数センチの隙間があったため、指摘された。その他マウスパッドも、外付けキーボードも使えなかった。

試験官の方は温厚で人当たりが良かったし、マニュアル通りに確認する必要があるんだろうけど、受験者によってはきっと「そこまでやるのか」と苛立つかもしれない。

そんなこんなで無事に終わって、次はインターンの作業。数週間前に依頼されていたある記事の執筆をすっかり忘れており、慌てて完了させた。

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韓国を完全に撤退するまで3週間を切ったのに、連日就活かインターンばかりだなぁとちょっと鬱屈していたのが正直なところ。

気分を晴らそうと、フラットメイトのガブリエラと共通の友達であるウィリアムとで蚕室(チャムシル)にあるシナモンロール屋に行った。

ガブリエラと地下鉄2号線に乗り込み向かったところ、列車内がガラガラで驚いた。ちょうど韓国は秋夕(チュソク)で多くの人たちは地元に帰ったよう。「金曜日の18時半の2号線で、こんなに静かなの有り得ないね」とガブリエラと声をひそめて言い合った。

お目当てのベーコンシナモンロールが無く、代わりにソルトキャラメルピーカンナッツシナモンロールを。あとはデカフェのカフェラテ。合計1500円ほど。

奥に見えるのはガブリエラのアールグレイハイボール

「やっぱり韓国はこういうカフェメニュー高いなぁ。日本が安すぎるのかしら。」と思いながらシナモンロールをうやうやしくナイフとフォークでカットしながら口に入れた。美味しいから満足。

そして近くの球場で野球観戦をしていたウィリアムが合流した。ちょうど昨日が彼の誕生日だったから、2人でシナモンビクトリアケーキをプレゼント。

ウィリアムはドイツ系アメリカ人の軍人さん。ブルーアイに金髪という典型的な「白人」なのだけど、笑うとミッキーマウスのようにキュッと口角が上がって可愛らしい。

彼がケーキをほおばりながら「自分はいつか広島カープを観戦したい」と言い出した。「なんで?」と聞くと「シンシナティ・レッズとロゴがそっくりだから」。

ある日ウィリアムがシンシナティ・レッズの帽子をかぶって、韓国の居酒屋かどこかに行ったところ、そこにいた地元民から「どうして広島カープのキャップをかぶっているんだ」と聞かれたらしい。もちろん広島カープを知らないウィリアムは「何言ってるんだ(What are you talking about?)」状態。でもそこで広島カープについてはじめて知り、興味をもったとのこと。

私は個人的に韓国の人も広島カープを知っているんだと驚いた。私の姉でさえロゴを見ても絶対にどこのチームか分からないはず。

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カフェを出てすぐ横にある湖に向かう。背後には123階建ての超高層ロッテワールドタワー、眩い遊園地から聞こえてくる叫び声、カラフルにライトアップされた木々。落ち着いた雰囲気とはかけ離れているけれど、それもまた一興。韓国らしい。


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