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ノンタンの魂胆

「一番好きな食べ物は?」「一番好きな本は?」と聞かれたり、自己紹介で求められることがあります。どう答えたらよいものか、いつも迷います。

そのときどきで好みは変わるので一番を決めるのが難しい。前は一番だったけど今はそうでもなかったり。今はこれと思ってもこの先一番のままとは限らない。

日本百名山の深田久弥さんが「今まで登った山で一番好きな山はどこですか?」と質問され、「一番最近に行った山である。それは山の印象がフレッシュだから」と答えたエピソードがあります。

それにならい、「一番好きな食べ物?さっき食べたラーメン」と答えることにしようかしら。

絵本も同じで「一番好きな絵本は?」の質問に答えるのが難しい。絵本は沢山読んだけれど、思い出の絵本がいろいろありすぎて選べない。

「一番たくさん読んだ絵本は?」の質問なら即答できます。「ノンタン」です。

ぼくの娘はノンタンが好きで、シリーズの絵本をよく読みました。なかでも好きだったのが『ノンタンぶらんこのせて』。

奥付をみると、1976年初版、2008年で351刷。公表267万部の大ベストセラーです。印税を計算すると、1冊600円、仮に印税が10%として・・

267万部×600円×0.1=1億6千万円!Wow!!

ぼくも絵本作家をめざそう!と思ったことは数知れず。そんなノンタンの魂胆に乗せられ、ノンタンシリーズの絵本を買い求めたわけです。

ちなみに、最も売れている絵本は『いないいないばあ』で682万部。日本で最も売れた本『窓ぎわのトットちゃん』580万部の上をいっています。

Wikipedia「ミリオンセラーの絵本一覧」によれば、ベストテンは次のとおり。

・1位 いないいないばあ 682万部
・2位 ぐりとぐら 523万部
・3位 はらぺこあおむし 420万部
・4位 しろくまちゃんのほっとけーき 319万部
・5位 てぶくろ 318万部
・6位 おおきなかぶ 312万部
・7位 ねないこだれだ 311万部
・8位 ぐりとぐらのおきゃくさま 301万部
・9位 きんぎょがにげた 284万部
・10位 じゃあじゃあびりびり 282万部

Wikipediaは下記サイトを参照。『ノンタンぶらんこのせて』は14位でした。

絵本は、親子コミュニケーションのツール。子どもをひざの特等席に載せて、絵本の世界で親子の会話時間を楽しみました。

絵本がいいなと思うのは、何度も読み返しができるところです。

図書館で借りたり、絵本ナビのサイトでWebでも読むことはできますが、気に入った絵本は買いました。子どもにとって絵本は、なめたり、かじったり、破いたりする楽しみあり。

それに、お気に入りの絵本を家に置いていると「これ!」とリクエストが入ります。絵本を読み終わると、今度は「もういっかい!」とアンコールがかかります。

そんな絵本タイムは、親子の幸せな時間でした。

最初のうち、繰り返し同じ絵本を読まされると、親の方が飽きていました。読み終えたら次の絵本にいきたくて、「もういっかい」と言われると面倒な気持ちになったものです。

でも、小崎師匠から「子どもは繰り返しすことで安心感を得る」と教わり、それからは同じ絵本10回繰り返しも全然OKになりました。

ノンタンは、いたずら好きで、素直で、友だち思いの愛されキャラ。実際のわが子をみているかのようでした。

「ぶらんこ」の話しは、一人占めして友だちに怒られつつ、最後はじゅんばんこになります。社会のルールを絵本が教えてくれるあたりは親の好みをおさえています。

パパとママで好む絵本が違う傾向がありますよね。

ママが選ぶ絵本は、心がやさしくなるもの、子どもの勉強に役立つもの。パパが好む絵本は奇想天外な展開や、オチがあって笑えるもの。

子どもが好むのは、うんち、おしっこ、おならが出る絵本だったりしますが、ママたちは好んで「うんち」の絵本を買い与えません。

その基準でいえば、ぼくが一番好きな絵本は『うんちっち』です。

パパならではの絵本は、いくつもあります。ファザーリング・ジャパンの仲間から沢山教わりました。

ここであげてもよかったのですが、膨大な量になるので一冊だけ。パパ's絵本プロジェクト『絵本であそぼ』をどうぞ。

ファザーリング・ジャパンはもともと、絵本好きな父親たちがサークル活動的に始めたのが発端です。パパ's絵本プロジェクトは「絵本ライブ」を各地で行っています。

なかでも、パパ'sメンバーの西村直人さんが行う絵本うたライブは、ぼくの長女が1歳のときにハマりました。長女の喜ぶ顔みたさに自分でライブを企画し、年間20回ほどのツアーを組んだほど。

いまは次女が小学3年になり、自宅で絵本を読む機会はもうなくなりました。いま絵本読み聞かせはパパ講座でたまにやります。パパらしいバカらしい絵本ばかり選んで読みます。

自分の子どもに読むのも楽しかったですが、大勢を前に読み聞かせすると子どもたちの表情が見てとれて違う楽しさがあります。

「一番最初に子どもに読んだ本は?」の質問も即答できます。中川ひろたかさん『コップちゃん』。自治体のファーストブックで届きました。

中川さんが以前、「D1だじゃれグランプリ」を主催されていて、ぼくも出場したことがあります。あえなく一回戦敗退でした。

以上、ぼくは絵本の専門家ではないので大したことは語れません。でも、今回絵本のことを書いたので、最後にちょっとだけ、いばりたいと思いました。

エヘン、エホン

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