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11.15 七五三の日・のど飴の日

おめでとう。おめでとう。
あなたが無事に成長してくれたことを嬉しく思います。
おめでとう。おめでとう。
あなたはお母さんになったのですね。
あなたがここに来たのは
もう何十年も前のことでした。
私にとってはこの時間は一瞬だったけれど
あなたの子供が見られて嬉しく思います。
おめでとう。おめでとう。
小さな命は
生命力のかたまりです。
三つ、五つ、七つのそれぞれにおめでとう。
子供は千歳飴を
母親のあなたはのど飴を舐めて
それぞれに笑っている。
風邪が酷くなりませんように。
育児は大変ですか。
心配事は尽きませんか。
近くに子を持たぬ私は想像するしかありませんが
少しでもあなたに幸多きことを。
涙と諦めよりも少しでも笑顔の数が多くなることを願っています。
神社の境内に立って百何十年と経ちました。
風が吹いては葉を揺らし
雨が降っても陽が出ても喜び
雷には少し怯え
そんな風に暮らしてきました。
七五三のときに家にお金がなくて着物を着られなかったあなたが
どうして私だけと泣いていたのを覚えています。
この子がたくさん笑える世界になりますようにといつぞやのあの日に祈ったことも覚えています。
きょうは子供に綺麗な着物を着せて微笑むあなたが見られてよかった。
どうか身体に気をつけて。
目一杯楽しんで。
小さな命たち
おめでとう。おめでとう。

11.15 七五三、のど飴の日
#小説 #七五三 #のど飴の日 #JAM365 #日めくりノベル

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