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白眼の青いうちに

「目の黒いうち」という言葉は「生きている間は」という意味で使われる
私の目の黒いうちは許さない、私の目の黒いうちは安心してくれ
目を生命と重ねるのは
情報獲得の8割を視覚が担うためか
それとも魚の焼き加減を目玉の色で判断するためか
嘘をつくと目が泳ぐためか
視線で意思疎通を図れるためか

赤ちゃんや子供の白眼の青さ
青白さ
吸い込まれるような澄んだ青
目の黒さを際立たせる
若さの象徴
幼さの象徴
純粋さの象徴

人は成長するほど、泣くほど、陽に照らされるほど、世界の汚さを目にするほど、その青さを失っていく
黄色く濁ってくる
私の青も遠くなる
それでも微かに残る青の名残
どうか白眼の青いうちに
世界を見させてくれないか
白眼の青いうちに
この世の儚さを刻み込ませてくれないか

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