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【ドラマレビュー】『忍びの家 House of Ninjas』に見る、今後のドラマ・トレンドの可能性

どうも、こんにちは。
kei_tenです。

今日は、Netflixオリジナルドラマの『忍びの家 House of Ninjas』を取り上げます。

こちらは世界16ヵ国で1位を獲得という実績だけでなく、制作背景からも「日本ドラマのイメージを変えた作品」と言える、注目すべき作品です。


※Spotifyのポッドキャストでも音声配信もしています。ぜひ合わせてお楽しみ下さい。


■ハイライト

あらすじ:

優秀な忍びとしての生活を捨ててから数年。家族の団結を失ってしまった一家は、平和を脅かす大きな危機に立ち向かうため、再び影の任務を引き受けることになる。

賀来賢人の持ち込み企画!:

賀来賢人が主演・プロデューサー・原案を務めた本作ですが、自身が作成した20ページほどの企画書をNetflixに持ち込んだところから企画がスタートし、3年半以上の歳月を費やして完成にこぎつけた、とのこと。

本作は「家族ドラマ」が主題になっていますが、忍者モノだけあって「アクション」も魅力。賀来賢人もしっかり身体を鍛えていたので、自分自身でもアクションすることに拘った印象を受けました。

アジアに明るいアメリカ人監督を起用:

監督のデイヴ・ボイル氏も、ほぼ無名と言って良いかもしれません。僕自身も他の作品を知らず、当初はダニー・ボイル(トレイン・スポッティングやスラム・ドッグ・ミリオネアなどの監督)かと思っていたくらいです。

調べてみて気づいたのですが、ボイル監督は日本語を学んでいて、過去にアジア系キャストの映画を撮っていた経緯もあったことで、白羽の矢が立った模様。
Netflix側で“世界的にウケそうな”ドラマ作りをマーケティングしての人選だったのかもしれません。

実際に、映画のOPやEDの作りや、侘び寂び・忍者・牛丼といった日本文化へのリスペクトを込めた描き方に、良い意味で「日本ドラマらしくなさ」が現れていたと思います。

特に「忍者=忍び」から連想できる、「偲ぶ(しのぶ)」という要素を通奏低音のように落とし込んでいたところに、日本語を学んだ人ならではのセンスを感じました。

ちなみにデイヴ・ボイル監督作品は、24年6月に井浦新さん主演の『東京カウボーイ』がロードショーになるようなので、ぜひ観に行きたいですね。

■日本で「俳優の持ち込み企画」が流行るか?

『忍びの家 House of Ninjas』ならではの魅力・注目ポイントは、やはり「俳優の持ち込み企画」ではないでしょうか?

過去にも俳優自身が手がけた映画はいくつもありますが、自身が監督を手がけるケースが多かったように思います。それは海外のハリウッド映画でも一緒かもしれません。(北野武やクリント・イーストウッドが代表的ですよね)

Netflixの「社風」が実現&ヒットの鍵となった?:

この『忍びの家』では、監督をあえて他の人に任せた(しかも「忍者」を題材にして外国人監督を起用した)ところに魅力があったと感じています。

そして、その要因となったのが「Netflixの社風」だったように思います。

Netflixは、サブスク展開をするグローバル企業の中でも「現地化」を重視してることが特徴だそうです。さらに日本法人では「日本語(母国語)」を大事にして、現場では日本語で議論も行われているとのこと。

日本法人のトップの方が「英語を重視したカルチャーだと、才能が枯渇する」とCEOに提案し、この方針になっているようです。(徳力さんのVoicyで、このエピソードを詳しく聴く事ができます)

このマネジメント方針によって、「ワンピース」や「幽遊白書」の実写化と成功があったと思います。

そして、これら成功事例によって、今回の『忍びの家』の実現やキャスティング(つまり、投資へのGOサイン)、そして世界的ヒットにも繋がったのではないでしょうか?

ドラマとして面白いものを作るには、プロデューサーや監督、俳優さんの力なしには成し遂げられませんが、配信元であるNetflixの、しかも日本法人側も重要な役割を担っていた、とぼくは考えます。

プライムビデオの『沈黙の艦隊』もこの流れを後押し?:

一方、ライバルであるAmazonのプライムビデオでも同時期に『沈黙の艦隊』の実写化があり、クオリティも高くヒットしましたよね?

Amazon Newsroomより引用:https://amazon-press.jp/Prime/Prime/Press-release/amazon/jp/Digital/Prime-Video/silent_servive1214/

こちらも実は、『忍びの家』と非常に似たケースで作られた配信ドラマです。

『沈黙の艦隊』は主演の大沢たかお氏がプロデューサーも勤めており、原作者のかわぐちかいじさんへの企画説明、防衛省や自衛隊への協力要請など、かなりの熱量を持って企画・制作を行なっていた模様です。

「競争」は良い意味で業界を活性化させるので、これら2作品のヒットにより、今後は配信ドラマで「俳優の持ち込み企画」が増えてくる可能性が高いと見ています。

「こんな映画作りたいけど、自分で監督までは…」と考えている役者さんは少なくないと思いますので、今後の動向に注目したいですね!

では、また!kei_tenでした。


※画像は公式より引用しています。

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