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青海三丁目 地先の肖像「見慣れぬ夜景」

2020.09.18 | 葛

東京テレポート駅のロータリーにて待ち合わせた。森藤は別プロジェクトの設営が終わってから車で来て、私をピックアップして、2人は春から長らく訪れていない土地へと向かった。

日が暮れてゆく前に上陸したかったけれど、あっという間に日は暮れてしまった。

車で島に入るのはこれが初めて、新しくできたばかりのいくつかの道路、橋、トンネルを通過するのも初めて。

この冒険に私たちは大変ワクワクしていた。

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私も森藤も、車で中央防波堤埋立地に行ったのは初めてだった。昼間に徒歩で行くよりも、車で走れる範囲の方がより広く、自由さが増して感じられた。

まず新しくできた、ゲートブリッジの方へも向かって走ってみた。これは確かに走り屋たちが放っておかないだろうな、という走り心地で、照明が橋全体を青白く照らしていた。

それから入ったことのなかった、中央防波堤外側に新しくできた道路も走ってみた。奥でUターンしてまた中央防波堤内側に戻る道路で、道路の西側にはコンテナヤードが煌々と輝いて、延々とコンテナの風景が続いていた。

中央防波堤の内側にあるコンテナヤードとは違い、4~5段程に高く積まれたコンテナ、その間の所々に大きなクレーンも設置されている。

この真新しいコンテナヤードは恐らく最新型のものなのだろうなと思う。

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かつて入ることのできた、海の森公園がどうなっているかも、見に行った。

五輪へ向けた準備のためだろうか、公園へと向かう道の途中で、白いバリケード壁によって完全に封鎖され、全く入れないようになっていた。

私たちは落胆したが、その少し高くなった場所から眺める、北に見える東京の夜景を、秋風に吹かれながら長らく見ていた。

この角度からパノラマのように東京を眺めたことは、未だかつてなかったのではないか、と思った。それは、見慣れぬ東京の夜景だった。

虫たちの歌声が響き渡っていた。私たちが偶然見つけた、東京のオアシスだった。

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