ナフタリン

『みちかけの透き間』 宮永愛子

古本屋巡りをしている途中で、知っている名前がある、と思わず手に取った。忘れもしない、約半年前に、入試の小論文の課題として扱われていた文章だった。

文字は横書きだった。彼女の作品を、一度もみたことはなかったが、文字をたどる中で、勝手に想像して、入試が終わるとその安心感からか、全部を忘れてしまっていた。

想像していたよりも、ずっと静かで、ずっとどっしりとしていた。

作品自体も勿論素敵なのだが、それ以上に写真でみることによって、作品は決してそれだけで成り立つことはないのだなと強く感じた。

それを、どこにおくのか。どういう場所で成立させるのか。

歌も、同じだなと思った。 どこで歌うのか、誰との関係性の中で、成立させるのか。

そういった部分も含めて、なるべく自分にとって心地の良い環境を整えていく。

過程を楽しむ。ひとつひとつの、結果だけではなくて、人と人が繋がる、そのやりとりだったり、そういう部分を大切にすること。

ついつい、いつも焦ってしまう。そんな焦りの中で手放してしまっているものの多くのものこそが、大切だったりする。

深呼吸。


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