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トランプ狙撃はネディ大統領暗殺と同じか

ネディ大統領は“なぜ”殺されたのか?暗殺事件の真実に迫る ...
MOVIE WALKER PRESS コラム 2023/12/26 11:30
ケネディ大統領は“なぜ”殺されたのか?暗殺事件の真実に迫る執念と隠された巨大な陰謀 https://moviewalker.jp/news/article/1172996/

事件から60年を経てもなお、議論の的になっている「ケネディ大統領暗殺事件」。独自の調査に基づき暗殺事件の真相に迫るドキュメンタリー『JFK/新証言 知られざる陰謀【劇場版】』(21)がAmazon Prime Videoチャンネル「スターチャンネルEX」で独占配信中だ。

『JFK』(91)でこのセンセーショナルな事件を骨太なエンタテインメントとして描いたオリヴァー・ストーン監督が、“真実”が解明されないまま年月が過ぎていくことに不満を募らせ、再びこの題材に挑んだ本作。本稿では、事件の基礎知識や歴史的な重大性から、1991年に『JFK』が呼び起こした反響、そして劇映画からドキュメンタリーへと手法に変えて事件を追求するストーン監督の執念や本作の見どころなどを解説していく。

いまも陰謀論が都市伝説的に広がる、ケネディ大統領暗殺事件とは

いまなお“20世紀最大のミステリー”と語り継がれる大事件は、現地時間1963年11月22日に米テキサス州ダラスで発生した。絶大な国民的人気を誇った第35代合衆国大統領ジョン・F・ケネディが、大勢の市民の歓迎を受けているパレードのさなかに白昼堂々と暗殺されてしまったのだ。それはケネディが1961年1月に大統領に就任してから、わずか2年10か月後の悲劇だった。

現職の大統領暗殺は、1901年のウィリアム・マッキンリー以来62年ぶりの出来事であった
Photo: John F. Kennedy Presidential Library, National Archives [c] 2021 Camelot Productions, Inc. All rights reserved.
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世界中を震撼させたこの暗殺事件は、“その後”も異例の展開の連続だった。事件発生から約1時間後に犯人として逮捕された元海兵隊員リー・ハーヴェイ・オズワルドは、その2日後にダラス警察署から移送される途中、ナイトクラブのオーナーであるジャック・ルビーに銃撃されて死亡。翌年、ケネディの後を継いだリンドン・ジョンソン大統領が真相究明のために設置したウォーレン委員会は、犯行はオズワルドの単独によるもので、背後に陰謀の類いは存在しなかったと結論づけたが、あまりにも多くの不可解な謎が残されたため、21世紀のいまに至るまで数々の著作やドキュメンタリー、劇映画の題材になってきたことは周知の通りである。

暗殺事件の容疑で再逮捕されたオズワルドは、移送中に殺害されてしまう
Photo: John F. Kennedy Presidential Library, National Archives [c] 2021 Camelot Productions, Inc. All rights reserved.

果たして誰が、どのようにして、なぜケネディを暗殺したのか。長年にわたるその議論に一石を投じたのが、映画監督のオリヴァー・ストーンだった。ベトナム戦争に偵察隊員として従軍した自らの経験を生かした『プラトーン』(86)で脚光を浴び、米アカデミー賞で作品賞、監督賞をダブル受賞したストーン監督は、その後も『ウォール街』(87)、『トーク・レディオ』(88)、『7月4日に生まれて』(89)という社会派エンタテインメントの問題作を連打。そして1991年、ウォーレン委員会の報告に真っ向から異を唱えた大作『JFK』を発表し、破格の大反響を巻き起こした。

オリヴァー・ストーン監督が暗殺事件の謎に挑んだ問題作『JFK』
『JFK』の主人公は、ルイジアナ州ニューオーリンズに実在した地方検事ジム・ギャリソン。ウォーレン報告の内容に強い疑念を抱いたギャリソンが、数人の部下を率いてケネディ暗殺の捜査を行い、いくつもの謎を検証していく様を緊迫感たっぷりに描いた。当時『アンタッチャブル』(87)、『フィールド・オブ・ドリームス』(89)、『ダンス・オブ・ウルブズ』(90)などの話題作を相次いで世に送り出し、ハリウッドの頂点にのぼりつめたケヴィン・コスナーが、国を憂う検事としての使命感に燃えるギャリソンを熱演。

脇役にもトミー・リー・ジョーンズ、ゲイリー・オールドマン、ケヴィン・ベーコンらのそうそうたる強力なキャストが配され、ロバート・リチャードソン(撮影監督)、ジョン・ウィリアムズ(音楽)らのスタッフも確かな仕事ぶりでストーン監督を盛り立てた。
劇映画として「ケネディ大統領暗殺事件」に迫った『JFK』

ギャリソンの回想録を含む複数の原作に基づく『JFK』は、いわゆる実録ドラマであると同時に、ストーン監督が独自の推論を盛り込んだフィクショナルなミステリー映画でもあった。
何人もの怪しげな人物がばっこする複雑怪奇な事件の表と裏を、フラッシュバックを多用して紡ぎ上げたその作風は、ドキュメンタリータッチとフィルムノワール調の様式が見事に融合され、ひとときも目が離せないほどの濃密な仕上がり。
とりわけ実業家クレー・ショーの裁判が行われるクライマックスでは、法廷でギャリソンが主張する暗殺の“真実”がダイナミックに映像化され、圧倒的なスリルとカタルシスを呼び起こした。
かくしてセンセーショナルな政治性と陰謀ミステリーとしての高度な娯楽性が渾然一体となった『JFK』は、米アカデミー賞で8部門にノミネートされ、2部門受賞(撮影賞、編集賞)を達成。3時間超の大長編でありながら、日本でも1992年における洋画年間興収4位にランクインする大ヒットを記録した。

『JFK』から30年の時を経て、ドキュメンタリーという形で再びこの題材に挑んだストーン監督

Photo: John F. Kennedy Presidential Library, National Archives [c] 2021 Camelot Productions, Inc. All rights reserved.

ケネディ暗殺の痛ましい歴史的記憶をアメリカ社会に呼び覚ました『JFK』の影響は政治をも動かし、全米公開翌年の1992年、アメリカ議会は「ジョン・F・ケネディ大統領暗殺記録収集法」を可決。それによって数百万ページにおよぶ機密文書が開示され、民間団体や研究者による事件の新たな検証が行われるようになった。しかしメディアなどの動きは鈍く、真実は未だ藪の中。そこで再び立ち上がったのがストーン監督である。
『ワールド・トレード・センター』(06)、『スノーデン』(16)のプロデューサー、ロブ・ウィルソンとタッグを組み、『JFK/新証言 知られざる陰謀【劇場版】』を完成させたのだ。

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1発の銃弾がありえない軌道で体を撃ち抜いた“魔法の弾丸”

『JFK』はあくまで“史実に基づくフィクション”だったが、『JFK/新証言』は純然たるドキュメンタリーだ。ケネディが平和の尊さをスピーチする記録映像で幕を開ける本作は、冒頭の10分弱で1963年11月22日の暗殺事件当日と、その後の数日間に起こった一連の衝撃的な出来事をシャープな編集で映し出す。続いて画面は55年後、2018年のテキサスに切り替わり、ストーン監督が犯行現場となったダラスのディーリー広場を訪問。

『JFK』公開後に開示された膨大な機密資料や多くの専門家へのインタビューを通して、観る者をケネディ暗殺の驚くべき真相/深層へと誘っていくという構成になっている。

ありえないような軌道で7つもの傷を…“魔法の弾丸"と呼ばれる「証拠物件399」
Photo: John F. Kennedy Presidential Library, National Archives [c] 2021 Camelot Productions, Inc. All rights reserved.

劇中にはいくつもの解明すべきミステリーの論点が含まれているが、真っ先に検証されるのは有名な「証拠物件399」こと“魔法の弾丸”に関する謎だ。ウォーレン委員会の報告は、テキサス教科書倉庫ビルの6階に身を潜めたオズワルドが、ライフルで3発の銃弾を発射したと結論づけた。

ところがこの見立てでは、3発のうち1発がオープンカーの後部座席にいたケネディとその前方に座るテキサス州知事ジョン・コナリーの体を撃ち抜き、物理的にありえないような軌道を描いて2人に7つもの傷を与えたことになる。本作では『JFK』でも言及されていたこの謎についてより詳細な検証を試み、ケネディの搬送先であるパークランド病院で発見された“魔法の弾丸”が、証拠として保全されるまでの奇妙な経緯や矛盾も指摘している。

どの方向から狙撃を受けたのか…検死記録のメモも破棄され、不可解な点が多い
Photo: John F. Kennedy Presidential Library, National Archives [c] 2021 Camelot Productions, Inc. All rights reserved.

さらに、ベセスダ海軍病院における検視で撮影されたケネディの遺体写真、パークランド病院で処置にあたった医師らの証言も細かに検証する本作は、何者かによって入念に準備されたであろう複数犯による狙撃説はもはや突飛な仮説ではなく、それこそがまぎれもない事実だと主張する。むろん、それが真実かどうかは受け手である観客の解釈に委ねられるが、自らインタビュアーを務めたストーン監督の並々ならぬ執念、ケネディ研究に携わってきた法病理学者、歴史学者、作家らの細部に踏み込んだ証言の数々は、極上のクライム・ミステリーさながらの迫真性をみなぎらせている。劇中にはそのほかにも、犯人に“仕立てられた”オズワルドの背景にまつわる幾多の謎や、なぜかウォーレン委員会で黙殺された目撃者らの重要証言など、興味をそそる論点がぎっしりと詰め込まれている。

巨大な陰謀の黒幕は… ケネディ大統領暗殺の“真実”に迫る

そして終盤では、ケネディは“なぜ”殺されたのか、という事件の核心的な謎に焦点が当てられていく。43歳の若さで大統領に就任したケネディは、前政権とはまったく異なる外交政策を打ち出した。東西冷戦下におけるキューバやソ連への対応、ベトナム戦争からの撤退をめぐってCIAと対立したケネディは、当時のCIA長官アラン・ダレスらを解任し、予算の削減にも踏みきった。そんな根深い因縁あるダレスが、後にウォーレン委員会のメンバーに名を連ねたのは、身内であるCIAに調査をおよぶのを阻むためではなかったのか。ケネディの政策によって不利益を被る軍や情報機関などの闇の勢力こそが、巨大な陰謀の黒幕なのではないのか…。『JFK』を鑑賞済みの人も、本作で初めてケネディ暗殺のミステリーに触れる人も、“知られざる陰謀”を多角的に掘り起こし、果敢な謎解きに挑んだ映像世界に引き込まれずにはいられないだろう。

事件現場の現在の様子。左のビルがオズワルドが狙撃したとされるテキサス教科書倉庫
Photo: John F. Kennedy Presidential Library, National Archives [c] 2021 Camelot Productions, Inc. All rights reserved.

また、本作は自由と変革の象徴だった政治家ケネディの功績を再評価し、彼の死がその後のアメリカと国際社会にもたらした負の影響も伝える。ストーン監督が放ったこの渾身のドキュメンタリーは、SNSに無数のフェイクニュースが飛び交い、混迷深まる不穏な現代を生きる私たち観客に“真実”を追求し続けることの意義を問いかけているのだ。

Photo: John F. Kennedy Presidential Library, National Archives [c] 2021 Camelot Productions, Inc. All rights reserved.
Amazon Prime Video チャンネル「スターチャンネルEX」で『JFK/新証言 知られざる陰謀【劇場版】』を観る
文/高橋諭治


■画像 ぴあエンタメ

すでに風化にあるケネディ暗殺事件だが、今回の事件で60年前の1963年11月22日ダラスの衝撃が甦った。
時代的年代的には、すでに60歳となった人も多く、また、それを全く知らないZ世代アルファ世代が、それをSNSで検索して知る背景に、世界ソーシャル時代で、それが何をもたらし何が始まるか予想もつかない。
日本でも安倍氏が銃狙撃によって亡くなったことは記憶に新しいが、それがアメリカの政治家暗殺とは質が異なると思うのは間違いか。

運よく命拾いしたトランプ氏は、大統領選挙を控え、一躍正義のヒーローになったことは間違いなかった。
そこに乗じていろいろな要素が組み込まれるのもアメリカ的で、マスク氏がトランプ氏に巨額選挙資金寄付したと、報道された。また、アメリカ経済株式指数が、一気に上昇したことも見逃せない。
仮に、その真逆なアクションに及んでしたら、世界を巻き込んだ経済低迷に陥ることは否定できないと図らずも安堵した。









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