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主文 被告人○○○○を懲役4年に処する

「国家現役首相田中角栄ロッキード事件」。既に形骸化また風前の事件として、さらには最後のタイムリミットとして、いま語る必要があった。
幸いにして旧い記事が、私の書庫に記録されていたものを、引っ張り出して整理した。記録文の話は前後して多少、読み辛い部分もあるが、どれも当時の写実ドキュメントであることで、その脈略が一致している。

前代未聞のその事件は、余りにも大胆で、世界的に見ても例のない「疑獄事件」として報道され、穿った見方では「勧善懲悪」テキストサンプルのようでもあり、その「ダーティーヒーロー」としての「田中角栄」は、まさに超一流の適役に配された役者のようだった。
と、そのメディア配信によって社会は、すっかりそれを信用した。だからそれに関して嫌疑するものは皆無に等しかった。(後のNHKドラマで再現)

また、ロッキード「国会証人喚問丸紅ルート」はテレビ中継され、社会はその罪人を晒した国会のギロチン処刑台にみたてて、さながらそれは中世ヨーロッパの「キリスト教的異端審問」の再現であるかのようなシーンを映し出していた。
※画像 ロッキードウイキペディア 

第77回国会(常会)質問主意書
質問第九号ロッキード事件に関する質問主意書
右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。
昭和五十一年四月十九日 野末 陳平   
ロッキード事件丸紅ルート 第一審判決
受託収賄、外国為替及び外国貿易管理法違反、贈賄、議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律違反被告事件
東京地方裁判所 昭和51年(刑わ)第3936号等

昭和58年10月12日 刑事第1部 判決 主文
5人につき弁護人・被告人控訴
一、被告人田中角栄を懲役4年に処する。
  同被告人から金5億円を追徴する。
二、被告人榎本敏夫を懲役1年に処する。
  同被告人に対し、この裁判の確定した日から3年間右刑の執行を猶予する。
三、被告人檜山広を懲役2年6月に処する。
四、被告人伊藤宏を懲役2年に処する。
五、被告人大久保利春を懲役2年に処する。
  同被告人に対し、この裁判の確定した日から4年間右刑の執行を猶予する。
六、訴訟費用中、証人若狭得治に対し第55回公判期日における証人尋問の関係で支給した旅費・日当全部及び同証人に対し第59回公判期日における証人尋問の関係で支給した旅費・日当のうち被告人大久保利春の関係のみで行われた尋問手続にかかる分(以上合計4,250円)は被告人大久保利春の負担とし、その余の訴訟費用は、被告人田中角栄、同榎本敏夫、同檜山広、同伊藤宏、同大久保利春の連帯負担とする。
理  由
第一章 認定事実
第一節 被告人らの経歴及び本件の前提ないし背景となる事情
一 被告人らの経歴
[1] 被告人田中角栄は、昭和11年ころから建築設計事務所、土木建築会社等を経営していたが、昭和22年に新潟県の選挙区から衆議員選挙に立候補して当選し、爾来連続14回当選して現在に至るまで同院議員の職にあり、その間、その所属していた自由民主党(昭和51年7月27日に離党している)の政務調査会長、幹事長をつとめ、昭和32年7月10日から約1年間第1次岸内閣の郵政大臣、同37年7月18日から約3年間引続いて第2次・第3次池田内閣及び第1次佐藤内閣の大蔵大臣、同46年7月5日から約1年間第3次佐藤内閣の通商産業大臣を歴任したあと、昭和47年7月7日、内閣総理大臣に任命されて第1次田中内閣を組織し、同年11月衆議院が解散された後の同年12月22日に再び内閣総理大臣に任命されて第2次田中内閣を組織し、同49年12月9日、内閣総辞職の結果その地位を失うまで、引続いて2年5か月間、内閣の首長たる地位にあった者である。(裁判官 岡田光了 永山忠彦 木口信之)
(別紙)現金授受事実1覧表
京都産業大学 抜粋  https://www.cc.kyoto-su.ac.jp/~suga/hanrei/81-1.html


ロッキード事件俯瞰図(前後)


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