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トルコ調査報告会(考古学)

昔の遠い遠い記憶はいずこに

先日、仲間の連れ合いが、くも膜下出血で緊急入院した、という話しを訊いて知った。

老齢を重ね、その知己たちは一人消え二人消え、数えてみれば両手の指では間に合わなくなっている。次は自分か、そんなやりとりが交わされ、そして笑いながら別れる。

そう「笑いながら別れる」のであって自分は絶対死なない、とおもっているからだった。それは美しい誤解であり、また醜い解釈でもある。

そのことは歴代の「王」たちの履歴をみれはよく判ることで、一様に不老不死を願い、懇願して世界中の妙薬を部下に探させた。その薬が手に入らなかった場合、その部下を獄門に課し最終的に「火炙り刑」として見せしめに処刑した。

その数知れず、古代中国「殷墟」の発掘現場からは夥しい数の屍が綺麗に整頓され埋められていた。

本当にこの世のどこかに「不老不死」という全能薬が、どこかの「桃源郷」にねむっているのだろうかと、本気で考えたことがあった。

それはある神話を読んでいて、そこに「ヒント」らしいものが書かれてあったからだ。といっても、懇切丁寧に「シンセン」薬がそこにある、という大学入試の4選択肢問題回答としてではなく、あらゆる情報を動員して、その中からあぶりだされた、たった一つのアンサーであり、仮にそれが入試問題出題例だったとしても、ことごとく不正解として処理される。そのくらい難易度の高い複雑な経路解説である。しかし実話である。

であるからそれは社会的に認知されないし考古学的にも提唱する人物がいないという点で、マイナー領域であり、下手をすると物理学界の仮説「エーテル理論」のように全否定され却下されるという運命にある。

※特殊相対性理論と光量子仮説の登場などにより、「エーテル」は廃れた物理学理論だとされている。

詳細リンク http://blog.livedoor.jp/raki333/archives/52143924.html

「稲荷様」神話

神話では、キツネの棲む山「三長の稲荷様」として女人禁制はもちろん、「何人も諾されべからず」という謂れが伝えられ、麓では神の不文律として囁かれていた。

勿論そんな札をみたことも訊いたこともないという領域で、「それに触るとたたりで即死する」というこどもじみたその話しを、80歳の老婆がするものだから、それは嘘とわかっていても、いまだにそれを触ったものはいない。

似た話しで地中海伝説、レバノンのフンババ物語がある。

画像 巨木レバノン杉

ウイキペディア


話しはこうだ。

森の守護神フンババは、メソポタミア神話の『ギルガメシュ叙事詩』に登場するレバノン杉を守る森の番人だった。

太陽神「ウトゥ」により育てられた巨人として伝説化している。日本神話のアマテラスのに相当する。また他説では「恐怖」「全悪」「あらゆる悪」などと形容されるが「巨人」としての赴きは決定されている。

メソポタミア神話の『ギルガメシュ叙事詩』に登場するレバノン杉を守る森の番人の神話である。

それは粘土板クサビ文字として記述され、ウル第三王朝 、紀元前22世紀から紀元前21世紀にかけてメソポタミアを支配した王朝のころであり、その時代に書かれたものとされている。

エトガル・ケレット Keret, Etgar

https://note.mu/mkhayashi_note/n/n44cea93ea83b
1967年イスラエル・テルアビブ生まれ。両親はともにホロコーストの体験者。義務兵役中に小説を書き始め、掌篇小説集『パイプライン』(1992)でデビュー(注・秋元孝文/訳『早稲田文学』2014年冬号掲載)、『キッシンジャーが恋しくて』(1994)で注目され、アメリカでも人気を集める。『突然ノックの音が』(2010)はフランク・オコナー国際短篇賞の最終候補となり、作品はこれまでに37か国以上で翻訳されている。絵本(注・『パパがサーカスと行っちゃった』評論社刊)やグラフィック・ノベルの原作を執筆するほか、映像作家としても活躍。2007年には『ジェリーフィッシュ』(注・予告編動画)で妻のシーラ・ゲフェンとともにカンヌ映画祭カメラ・ドール(新人監督賞)を受賞している。テルアビブ在住。

と、現時点で和訳されている氏の作品は『突然ノックの音が』、『あの素晴らしき七年』、『パパがサーカスと行っちゃった』の3冊と、岸本佐知子/編・訳の『コドモノセカイ』(河出書房新社刊)収録の「ブタを創る」「靴」、『早稲田文学』2014年冬号に「パイプ」と共に掲載された「イスラエルにある別の戦争」(秋元孝文/訳)、同じく『早稲田文学』2015年夏号に掲載された「ハッピー・エンディングな話を聞かせてくれよ」(秋元孝文/訳 ※イスラエルのアラブ人作家であるサイイド・カシューア氏との往復書簡)と、まだまだ少ない状態。

しかし『あの素晴らしき七年』の訳者あとがきにある「イスラエルの新しい世代を代表する作家としてとくに若者の間で人気が高く、『もっとも作品が万引きされる作家』『囚人の間でもっとも人気のある作家』だという形容からも評価の雰囲気は読み取れよう。」というテクストからも伝わってくるように、今後注目すべき作家のひとりとも言える存在なのです。というか、ヘブライ語というハードルがあるとはいえ、なんで最近までケレット氏の作品が日本で紹介されていなかったのが不思議なくらいです。

ちなみに自分が初めて読んだケレット氏の作品は38の掌篇が収録された『突然ノックの音が』。以下、出版元のサイトにある内容紹介となります。

人の言葉をしゃべる金魚。疲れ果てた神様の本音。ままならぬセックスと愛犬の失踪。嘘つき男が受けた報い。チーズ抜きのチーズバーガー。そして突然のテロ——。軽やかなユーモアと鋭い人間観察、そこはかとない悲しみが同居する、個性あふれる掌篇集。映画監督としても活躍する著者による、フランク・オコナー賞最終候補作。

初めて読んだとき自分がちょっと驚いたのが、各作品の読み応えっぷり。短いものは見開きで終わり、長いものでも22ページという、まさに〈掌篇〉という表現がぴったりなボリュームなものの、まるで栄養素とカロリーがぎっしり詰まった非常食(もしくは登山や長時間マラソンをしているときに摂取する行動食)を食べているかのような読み応えがそれぞれにあるのです。

しかも具体的な道徳的教訓は示されていないものの、イソップ物語などの寓話のように読み手に訴えかける〈何か〉があり、その〈何か〉も読書中に着眼するポイントによって形を変えていく。読み返すごとに、読了後の印象が変わってくるようにも思え、まさにフィクションという様式が持つ力を最大限に活かした作品群だと感じました。

ケレット氏は、こんな読み応えのある作品をどのようにして書いているのか? その答えは『突然ノックの音が』の訳者あとがきに書かれているので、気になった方はぜひ『突然ノックの音が』を手にとってみてください。

「イスラエル文学って、なんか敷居が高そう」「海外文学なんて普段は読まないし、なんか難しそう」と読むのを躊躇されてしまう人もいるかもしれませんが……

映像作家でもあるケレットはインタビューで、「映像は制作側と視聴者側が九対一の関わり方になります。小説の場合、登場人物の声や姿や展開への関わり方は、通常、作者と読者は七対三、しかし、ぼくの場合は作者と読者が半々、五対五です」と語っている。自作を朗読して聴衆が反応することで作品が完成するともいう。真意は、彼の作品は双方向的で読者は自由にそれぞれの読み方ができる、一つに限定されないということだろう。

……と、訳者あとがきにあるように、ケレット氏自身が「作品をどんな風に解釈してくれてもOK」と言ってくれているので変にきばらず、それこそ何かの寓話を読む感覚で手にとって良いかと。

ちなみに自分がこの掌篇集に強く惹かれたのは、どの作品に登場する人物たちも、自分が今いる場所にどこか違和感を覚えているように感じられたからです。

雲田はるこ先生の『昭和元禄 落語心中』にしかり、近況報告でもチラリ(いや、けっこうガッツリ)と触れた『文豪ストレイドッグス』にしかり、どうも自分は〈自分の居場所を探し求める人々〉を描いた作品に強く惹かれてしまう傾向があるのですが、この〈居場所探し〉というのは普遍的なテーマだと思うし、今後これをテーマとした〈世界文学〉が増えていくんじゃないかと秘かに思っています。

さて『突然ノックの音が』に強く惹かれた2015年の自分ですが、刊行記念として早稲田大学にて開催された「エトガル・ケレット×円城塔 公開講義『僕たちの書き方』」を聴講し、ますますケレット氏の作品が好きになる体験をするのでした。それがどんな体験だったのか、そしてケレット氏の日本語での最新作『あの素晴らしき七年』。

【BOOK DATA】ラテン語のPost-scriptの略称で追記・後書
〈偏読書評〉、2016年7月11日投稿の加筆修正版 --


アナトリア.スパイラル  2019/06/20 07:10 

ラピスラズリの碧い輝き(エジプシャンブルー)
「アンティキティラ島の幻の時計」沈没船で発見  

「ギョベクリ・テペ」は不毛で平坦な台地に位置している。台地はあらゆる方向に扇状地を広げている。北へ向かうと細く伸びる台地がそのまま山脈へとつながる。それを除けば台地から伸びる尾根は急峻な勾配となり、あるいはそのまま断崖へと導かれている。

遺丘に加えてこの尾根の上部にも無視できない人類の痕跡がある。発掘調査は遺丘の南斜面、イスラムの巡礼の痕跡を示すクワの木の南と西側で行われた。しかし遺物は台地の全域から発見される。調査団は大量の石器を発見している。

約8000年前のトルコのアナトリア遺構で発見された貴重な人類足跡。今日はその話しを。ラピスラズリの石は、いにしえの時代より珍重された希少がゆえに高価な石として流通していた。もともともアフガニスタン産をラピスラズリと称したが、いまでは土産物屋で安価に売っている。

最近、海外渡航の話題が多く、その先が「トルコ」という話しを良く訊く。またこのnote会員の中でもイギリスとかオーストラリアとかいて、さすがに北朝鮮はなですね。

画像 ブルーモスク内部で、わしは、そこに行ったことはない。だが、かつてギリシア地中海沿岸の神話を漁っていたころ、その写真はよく見ていた。

とくに集中していたのが「アンティキティラ島の機械」発見の衝撃で、100年前に地中海沖「アンティキティラ」で漁師の網に掛かった一塊の青銅物で、そのまま、そこいらに放置されていたという。

アナトリア考古学研究所 講習会

今回の報告会では、トルコ共和国のエーゲ大学文学部考古学科のエシュレフ・アバイ教授をお招きし、西アナトリアのベイジェスルタン遺跡の調査に関してご講演いただきます。皆様には是非ご参加いただきたく、ご案内申し上げます。(2023年2月25日)

日時:2023年3月17日(金) 12:30- 16:30

  • 会場:東京国立博物館平成館大講堂(東京都台東区上野公園13-9)

  • 受付:平成館大講堂 1階入口 受付時間12:00より ※西門からお入り下さい(正門からは入場できませんのでご注意ください)

  • 参加費:1,000円

▼2022年度トルコ調査報告会プログラム

2023年3月17日(金)

12:30 ご挨拶
彬子女王殿下(中近東文化センター総裁)

あす、これに出席するのに上野国立博物館 に行ってまいります。 


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