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ペットボトル~ナノプラスチック

2024年01月19日

ペットボトルの大量プラスチック片

目に見えないだけでプラまみれ

ペットボトルの水に「凄まじい量のプラスチック」が含まれていると判明

https://courrier.jp/news/archives/350771/ 4min2024.1.10  クーリエ・ジャポン

私たちは「微小なプラスチック片」を毎日飲んでいることが判明した Photo: Daniel Grizelj / Getty Images画像 ギャラリーワシントン・ポスト(米国)


ワシントン・ポスト

Text by Shannon Osaka

ペットボトルの水を1リットル飲むたび、私たちは何十万という微細なプラスチック片を飲み込んでいることが研究によって明らかになった。
米紙「ワシントン・ポスト」によれば、これはいずれ、人間の健康に重大な影響を及ぼす可能性があるという。

学術誌「米国科学アカデミー紀要」に掲載された論文によると、平均的なペットボトル入り飲料水1リットルには約24万個の粒子が含まれており、そのほとんどが「ナノプラスチック」であることが判明した。これらは1マイクロメートル(=0.001ミリメートル)以下のサイズの粒子だ。

過去数年間、科学者たちは「マイクロプラスチック」(サイズが1マイクロメートルから半センチメートルまでのプラスチックの破片)に注目してきたが、これはいたるところで見つかっている。プラスチックの小さな破片は、深海や南極の海氷、人間の胎盤の中からも見つかってきた。

これらは土壌や野生生物の中にも潜んでいる。マイクロプラスチックは、私たちが口にする食品や飲料水にも含まれているのだ。実際、2018年には、ボトル1本の水に平均325個のマイクロプラスチックが含まれていることが発見された。

だがコロンビア大学の研究者たちはこのほど、ナノプラスチックも脅威となることを発見した。同大学の化学教授で、発表された論文の著者の一人であるウェイ・ミンは次のように語る。

「マイクロプラスチックが人間の健康にどのような影響を与えるにせよ、ナノプラスチックはより危険であると言えるでしょう」

コンタクトレンズ マイクロプラスチック

あなたのコンタクトレンズからマイクロプラスチックが目に流れ出ているかも

プラスチックは「皮膚」と同じ

ペンシルベニア州立大学ベーレンド校のシェリー・メイソン教授によれば、プラスチックは「皮膚に似ている」。水や食べ物を含むあらゆる物質に触れて、プラスチックは剥がれ落ちるものなのだ。

「私たちの皮膚は常に剥がれ落ちています。プラスチック素材も同じです。常に剥がれ落ちているのです」

赤ちゃんの体内には“成人の10倍以上”のマイクロプラスチックが侵入している

ナノプラスチックは脳に混入するほど小さい

新しい研究では、PET(ポリエチレンテレフタレート)とポリアミドというプラスチックの破片が発見された。PETはほとんどのペットボトルに使われている素材で、ポリアミドは浄水フィルターに含まれている。

研究者たちの仮説によれば、これはつまりボトルそのもの、そしてろ過プロセスの両方によって、プラスチックが水に混入していることを意味する。

極小のプラスチックが人間の健康にとってどれほど危険なのか、まだわかっていない。世界保健機関(WHO)による2019年の発表によれば、水中のマイクロプラスチックが健康に影響する証拠は充分ではないとしながらも、さらなる研究が急務だとしている。

理論的には、ナノプラスチックは人の血液、肝臓、脳に入るほど小さい。そして、ナノプラスチックはマイクロプラスチックよりも大量に存在する可能性が高い。さらに新しい研究では、ボトル水のサンプルから見つかったプラスチック粒子の90%がナノプラスチックで、より大きいマイクロプラスチックはわずか10%だった。

マイクロプラスチックとヒトの健康問題の関連性を特定することは難しい。プラスチックには何千もの種類があり、その製造には1万以上の化学物質が使われている。

だが、私たちが呼吸する空気、飲む水、着る衣服に含まれる小さなプラスチックが、深刻で危険な影響を及ぼす可能性に備える必要がある──メイソンはそう指摘する。

「マーケティングの影響で、ペットボトルの水は良いものだと思い込んでいる人がまだ大勢います。しかし、あなたがH2Oと一緒に飲んでいるのは、こうしたナノプラスチックなのです」


コメント racoco 2024/119

既に何百億本が世界で飲まれているペットボトル飲料水が、そのプラスチック汚染していたという科学的根拠で明らかにされたのでしょう。と云ってもすぐさま有害飲料だから止めましょう、というのは、荒唐無稽なはなしです。

まず、ベッドボトル飲料水を販売している世界企業が、やめるはずがありません。ガラス瓶がペットボトルに変わった時間と同じくらいの時間が必要でしよう。またこの際、ペットボトル用の水質も、明らかにした方がいいと思います。ナノプラスチックは海水汚染もしているので対策は急務です。

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ネット情報の半分は「偽クリック」かもしれない

「ネット上の意見は俺たちが操る」 詐欺集団クリック・ファームの実態3min2024.1.18 クーリエ・ジャポン


クーリエジャポン


画像人気や意見を偽造するクリック・ファームの手口とは… Photo: Getty Images

デイリー・テレグラフ(英国)Text by COURRiER Japon

たった一人で不特定多数を装う

飲食店や書籍に寄せられる大量のレビュー、過激な政治思想を煽るコメントの数々、SNS上のコンテンツに集まる「いいね」や急上昇する再生回数──大量の人が動いているように見えるネット上の足跡は、ごく一部の人間が偽造しているのかもしれない。

「私の地元のケバブ店には1500件のレビューがあり、すべて5つ星です。衛生状態は劣悪な店なのに、驚くべき評価ですよね」

写真家のジャック・レイサムは英紙「テレグラフ」にそう語った。彼は中国や東南アジアを2ヵ月間旅して、ネット上で偽の情報を大量生産する「クリック・ファーム」と呼ばれる業者たちの本拠地を取材し、実態を暴こうとした。

クリック・ファームといっても、そこにあるのは電話だけだとレイサムは言う。ただ、それは数台のレベルではない。画面とバッテリーが引き剥がされた裸のスマートフォンが部屋中のラックに入れられ、一台のコンピュータに接続されている。コンピュータ上で動作を実行すれば、数百台のスマホも同じように作動する仕組みだ。コンピュータでクリックボタンを押せば、一瞬で何百もの「いいね」やフォロー、再生回数や星評価を生み出せる。

それだけではなく、業者たちはあらかじめ決められた極端な政治的意見をネットで撒き散らすこともする。テレグラフは「分析方法にもよるが、インターネットのトラフィックのうち半分ほどは偽のクリックからもたらされている」と報じている。

標的は企業の「広告予算」

レイサムによれば、クリック業者たちの相場はTikTok1000回の再生で0.02セント(約3円)、1000回の「いいね」で11セント(約15円)を受け取るという。とにかく数を稼ぐため、このビジネスは電気代が安く中古のスマホを大量に仕入れられる国に集中している。

こうしたやり方は、コーディングの知識や資金が少ない者たちの手口だ。より巧妙な事例では、マルウェアソフトを作り出し、感染したコンピュータからユーチューブのリンクを密かに開き、再生回数を人為的に増やそうとする者もいる。

クリック・ファームが主戦場とするのはオンライン広告だ。企業がネット上で出した広告を自身の作ったウェブサイトに掲載する。何百万回もクリックするボットを使って、企業の巨額なマーケティング予算を吸い上げるのだ。

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当然、データ上ではウェブ広告から大量の流入があるため、広告がその役割を果たしたかのような印象を与える。広告プラットフォームは詐欺師たちに代金を払い、広告主に請求する。テレグラフは、こうしたプラットフォームはおそらくグーグルかマイクロソフトだと報じている。

IT保守サービスを提供するドイツのポリグラフ社で広報を務めるトレイ・ヴェインズは、平均してGoogle広告のクリックの約11%が偽物だと説明する。

「ほとんどのマーケティング担当者は偽装に気づいていますが、実際に偽装クリックの現場を見ることはできません。しかし、こうした詐欺は中小企業にとっては大きな痛手になります。被害者が出ない犯罪ではないのです」

経済学者ダニエル・コーエンの写真

ダニエル・コーエン 「セックスと恋愛感情が分けられた世界で人間性を認識するのは無理です」

AIとの組み合わせは“最悪”

こうした詐欺行為をAIが遂行するケースも増えてきている。米メディア「ヴァイス」が2023年に報じたところによれば、アマゾンの電子書籍サービス「キンドル・アンリミテッド」には、AIが生成したでたらめな内容の書籍がベストセラーリストに並んだという。

アマゾンはベストセラーリストからAI生成本を削除するなど対応を急いだが、書籍はいまだに検索可能で、本のサンプルも閲覧できる。キンドル・アンリミテッドがAIの書籍で埋め尽くされれば、本物の作家の書籍は読まれにくくなり、彼らは収益を得られない。

今後AIによる詐欺が一般的になると、ネット上で本物かスパムかを見分けづらくなるだろう。前出のテレグラフの記事で、レイサムはベトナムにあるクリック・ファームを訪れたときのことを語る。

「そこでは、あるヘアバンドを宣伝する偽のコメントが2000件ほど作成されていました。ヘアバンドでこんなことが起きているのなら、ネット上の政治言論の場では何が起きているのでしょう?

もしあなたの世界観がネットで読んだ情報に基づいているとしたら、そしてもし誰かがその情報を操ることができたら、危険なことになりかねません」


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