憧れのギタリストの仕事と人柄に触れた日
もう、今年どころか人生のハイライトと言っても良いんですが、ESP専門学校で開催された、GLAY・HISASHIさんのギターセミナーに参加してきました。
相当少ない座席数だとは思っていましたが、当日会場に行くと一般枠80人+学生さん20人の合計100人くらいという超プラチナチケット。趣味のギターでも、仕事の調律でも、音楽・音に関わる部分はHISASHIさんの音が原点と言える僕にとって、このセミナーに参加できたのはひとつの夢が叶った日でした。
セミナーは最新のギター機材の使い方
昔使っていたアナログな機材の話から、どのように今のデジタルなシステムに移行していき、実際にどう活用しているか、と言う内容がメインです。
「グロリアス」のイントロのディレイの重ねがけの仕組みや、「winter,again」のピッチシフターをかける位置による聴こえ方の違い、「everkrack」のレコーディングで波形をぶつ切りにした音をライブで再現するためのノイズゲートの工夫など…何十回とライブで聴いている曲たちですが、この会場の100人だけに向けて演奏しながらの解説はたまらなすぎです!
実際に音をエディットしているパソコンの画面や、ライブで使っている曲ごとのセッティングのファイルがずらっと並んでいるフォルダも見せてもらえて、これはまず見ることができない裏の裏すぎる部分で大興奮でした。
※こんな感じの画面を見て喜ぶのは相当なマニアだけ…
気持ちの部分を大事にする人
音作りや機材の知識的な部分は、HISASHI研究家としては知ってることがほとんどでしたが、やっぱりセッティングの画面ひとつでも、実際に現場で使っているものを目の当たりにしたときの説得力はすごいなと思います。こうやって作られた音があの大きな会場の数万人の前で演奏されてるのか…と
そんな具体的な話はもちろんものすごく楽しめたのですが、ポロッと話していた「とにかく強めにピッキング(ギターを弾く右手の動き)するのが大事」「プロはみんな音が大きい」というのも印象的でした。
そういえば以前、音楽プロデューサーの亀田誠治さんのセミナーに参加した際、ゲストパフォーマーとしてDo As infinityの演奏がありました。そのときもボーカルの伴都美子さんのパフォーマンスを近くで見ることができて、とにかく表現のための「なりふりかまわない凄み」みたいなものを感じました。ピアノの演奏も同じかもしれません。
帰宅すると妻から「HISASHI、いい人だった?」と聞かれました(妻は誰でもよくこう聞く)
いつもは「いい人だったかどうかはわからないよ笑」と返すんですが、今回は「いい人だった!」と即答しました。
オーラがすごくて登壇した瞬間に「かっこいい…」と思ったんですが、それ以上に常に客席のことを気遣ったり、学生さんからの事前の質問への真剣な返答、最初から最後まであたたかい空間をつくろうとしているのが伝わってきて、とにかくすごく優しい人なんだなと思いました。
アナログ楽器はどうなっていくのか
デジタルの楽器が利便性に加え個性を持ってくると、やはり職業柄、アナログ楽器の今後は気になるところです。
アンプはギターの音の要とも言える存在。ピアノで言うと響板のようなハンマーのような。
ギタリストがライブで使うアンプをアナログからデジタルに替えるって、クラシックのコンサートで電子ピアノを使うくらいの変化です。
HISASHIさんは10年くらい前に「フラクタル」と言う今のデジタルシステムに移行して、アンプをはじめとした音に関わる部分をアナログの実機からその中に入っているデジタルのものに置き換えています。
セミナー中、年代ごとに昔の機材を再現したセッティングを弾き比べしていましたが、そんなことがボタンひとつでできるのもデジタルならでは。
最近改めて楽器店で、自身が使っているアンプのアナログ実機を弾いてみたときに、「ジャーン」と一発弾いた瞬間に「あ、デジタルで全然支障ないな」と感じたそうで。
一方GLAYのもうひとりのギタリスト•TAKUROさんは「マーシャルJCM800」と言う定番のアナログアンプを使っています。アナログにしか出せない領域がやはりあるのでしょう。
もし質疑応答のコーナーがあったら「これから、元となったアナログな機材の存在意義はどういうものになっていくでしょうか?」という事を聞いてみたかったです。緊張してまともに質問なんかできそうもないので、無くてよかったかもしれません。
ファン向け、その他レポです
グロリアスのイントロのディレイは当時のレコーディングエンジニア、マイケル・ツィマリングのアイディア
マイケルは当時テレビのスピーカーでどう聞こえるかを重視してミックスしていた
Fractalを使い始めたのはそれまで使っていたMesa/Boogie Triaxisのプリセットが足りなくなったから
Fractalはシーン切り替えではなく、曲とフレーズごとにプリセットを大量につくり、切り替えて使っている
現在のプリセット数は1024(空欄あり)
「デストピア」のプリセットのアルファベットの綴りを間違えてることに気づきセミナー中に直してた
メインアンプをBognerのUberscallからEVHに変えたのは、音がメタルすぎてHOWEVERなどに合わなくなってきたから
バンドとして成長するにはチームとして環境を合わせつつ、ぶつかりながら熱量を生み出すことが大事。
座右の銘:ハイボール濃いめで
もし記事が参考になりましたらスキを押して頂けると励みになります!