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「今回はふつうの気候だったね」と言う年はもう来ないのかも

記録的に暑かった去年の夏は、記事にするくらいピアノにも過酷でした。

それを経ての2024年。今年に入ってからもやっぱり例年とは違った気候で、ピアノのコンディションにも影響が出ています。冬の乾燥はもう当たり前で慣れたものですが、今年特に感じるのは、春になってからの湿気

湿度上がるの早くない?

少なくともここ数年は、毎年だいたい5月いっぱいまでは加湿器が必要な乾燥具合でした。それはそれで変な気候ですけどね。

我が家も昨年は加湿器を片付けたのが6月の初めでした。

ですが今年は4月くらいから急に湿度が上がってきて、すでに加湿器がいらない気配が...それどころか調律先によってはもう除湿機を出した方が良さそうなところもチラホラ。

気になって昨年と今年の自宅の湿度を比べてみました。ちょうど寝室は昼間は人が入らず、日当たりの影響も加湿器の影響も無い部屋なので、記録をとれる湿度計のデータを見てみます。

2023年と2024年の3月1日〜4月30日の2ヶ月間の正午時点の湿度の記録です。

折れ線が湿度の実測値、直線がトレンドライン(傾向)

比べてみると、やはり今年(オレンジ)は4月に入ったくらいから湿度が上がっています。湿度が高めなこともですが、40%を切るような極端に乾燥している日が少ないですね。

ピアノの狂いはこんな感じ

やはり冬の乾燥から急激に湿度が上がった影響はピアノにも出ていて、ここ最近のピアノは乾燥と湿気、両方の影響を受けた狂い方だと感じます

音が狂うにしても“全体的にちょっと下がり気味”とか、“なだらかに上ずってる”など「傾向がある狂い方」がいわゆる良い狂い方なんですが、そうではない、じわっと上下に滲むような狂い方のピアノが多いです。

そしてこれは関係があるのか無いのか、例年より弦が切れるピアノにもよく遭遇します。

そもそもふつうの気候なんて無いのかも

「今年は変な気候ですね〜」

調律先でこれを言わない年はもう無いのかもしれません。

でもそもそも、「ふつうの気候」とはいつのどんな気候を指しているのかもあいまいなんですけどね。30年前も、その30年前と比べれば変な気候だったわけでしょうし。

気候も含めた環境は常に変わって行くという前提のもと、それをうまく乗りこなしていく必要がありそうです。

そのためにもやはり湿度計はピアノの部屋には必需品。

特に記録がとれるタイプの湿度計を置いていただき調律の際に確認させてもらうと、とれる対策の精度が段違いだなと実感しています。

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