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美しく仕事をしたい

最近、ピアノのメンテナンスをするときの「視線」に気をつけています。

ピアノに使う工具に対しての視線です。

あるときピアノに向かって作業をしながらなんとなく自分の動きを俯瞰してみたときに「工具を手に取るときにちゃんと見てないな」と思いました。

ドライバー、掃除用具、調律工具、接着剤、ピアノのパーツ、薬品類、刃物、専用工具、ライト類…調律の作業はいろいろな工具をとっかえひっかえ使っていきます。

それが流れ作業的と言うか…使った工具をノールックで置き、次の工具に一瞥をくれて手に取りながらピアノに向かっていく。その工具も最後まで見ないで片付けて、の繰り返し。

慣れからくるスムーズさとも言えるのですが、なんとなく丁寧さに欠ける気がしてあまり良くないなと。工具はピアノと調律師をつなぐものなので、やっぱり大事にしたい。

なので工具を手に取るところから、使うとき、片付けて次の工具を使うまで、しっかりとその工具を見て、今なにを使っているかを意識するようにしています。

気をつけるのは視線ですが結局、マルチタスクにしすぎないと言うことかなと思っています。

やっぱりドアを後ろ手で閉めたり、食事のあと水を飲みながら立ち上がる、みたいなやり方では美しいピアノに仕上がらないと思うんですよね。

限られた時間の中でどれだけ作業を詰め込めるかを重視してしまいがちですが、時間がないときほど丁寧な動作を心がけたいです。

同業者である妻がかなり丁寧に作業をするのでそんな話をしたところ、「そうだよ(今さらなに言ってる?)」「私もかなり意識しないとそうなるから気をつけてる」と...普段から行動がはるかに雑な僕は、より気をつけないといけなかったようです。

うん…なるべく美しい所作でピアノと向き合っていきたいです。

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