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今年はピアノにとってどんな夏だった?

言うまでも無いですが、今年の夏はとにかく暑かったですね。

10月に入ってやっと秋らしい気候になったので、今年の猛暑はピアノのコンディションにどんな影響があったか、振り返って書き留めておこうかと思います。

明暗が分かれた2023夏

結論から言うと、「やっぱり例年よりも狂いが大きいな〜」と言うピアノと、逆に「あれ?今年はいつもより狂ってない...」と言うピアノにはっきり分かれました。

狂いが大きかったピアノは、単純に暑さにやられた感じです。気温が高すぎるとピアノの弦が伸び、全体の音程が下がります。ただ、暑さによってピアノが壊れると言うことはあまり無いので、これだけの猛暑でも影響のメインは音の狂いでした。

逆に安定したピアノ

一方、この気候でいつもより狂いが少ないピアノがあるのは不思議に感じるかもしれませんが、これはおそらくエアコンの効果です

エアコンをつけないと人も暮らせないほどの暑さで、いつもは我慢してしまう方も設定温度を低めにしたり、一日中エアコンをつけていた方も多いのではないでしょうか。エアコンをつけざるを得ない状況により結果的に置き場所の環境がいつもより安定し、湿気や温度変化による狂いが少なかったんだと思います。

実際に毎年調律している保育園でも、2階の奥にあるピアノはいつもより調子が良く、最上階の3階のピアノはエアコンをつけても暑さが勝ってしまうようで、結構狂っていました。

今年の梅雨は雨が少なかった

今年は梅雨時期の雨が少なく、ピアノにとっては良い梅雨でした。その時期の湿気によるトラブルはかなり少なかったと思います。

その代わり8月中旬くらいから天気は良くても湿度は急激に上がり、その頃から音が狂いだしたり、音が出なくなったと言う声が多かったです。

梅雨の湿度があまり高くなかっただけに、油断していた方も多いかもしれません。(ここにも一人…)

これからの季節

10月に入り急激に乾燥してきました。

本来この時期は少しずつ湿度が下がっていく期間で、まだ50〜55%くらいのはずですが、今年はすでに40%台の日も多くなっています。いままで高かった湿度が急激に下がるとピアノへの負担が心配です。

まださすがに加湿器を出すほどではないと思いますが…乾燥した日に長時間の換気をしないなど、例年よりも気をつけたほうが良さそうです。

そして11月からは早くも加湿器の出番となります。

しまっているフィルターはカピカピになっていると思いますので、早めに準備しておくと良いかもしれません。

文明の利器に頼れば猛暑も怖くない

こんなにイレギュラーな夏でしたが、除湿機による湿度管理やエアコン・カーテンでの熱対策をされている場所のピアノはいつも通り安定していて、例年と変わらず平穏なものでした。

生き物はある程度季節を感じないと良くないようですが、ピアノにはあらゆる手を尽くして、時間も季節も感じさせないのがベストです。

幸いなことに今はそれができる道具が安価で充実していますし、これだけの猛暑にも負けないことがわかりました。そういう意味では実はピアノ300年の歴史の中で、今が一番ピアノに優しい時代なのかもしれません。

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