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独語という名の自己紹介①

IT業界に飛び込むまで

この業界にはいるまでは、大学院で長年研究をしていた。
そのころは自称プロ学生と名乗っており、最大限学生の身分を存分に使って、学生期間を謳歌していた。

そんなある日、ダラダラ学生生活を続けていくうちに経済的に困った状況になり、指導教員に相談して仕事を紹介してもらった。仕事の内容を聞くと、どうやら奴隷的な待遇で迎えていただける上に、低賃金の非正規雇用ということだった。そのとてもありがたい申し出を丁重にお断りし、目先のお金を得ることを考え始めたのがきっかけである。

何も持たぬもの

一足先に大学をやめていた同期がITエンジニアをやっており、更にはフリーランスであることを耳にした。Googleで「フリーランス エンジニア」で検索し、表示された求人サイトを見てみると、月単価が40万、50万という、お金を持たぬものにはとても魅力的対価を支払ってくれるお仕事であること知った。

この時点で、社会人経験ほぼなし(大学でTA・RAはやっていた)、エンジニア業務経験なし、資格なし、スキルと言えば、研究で使っていたFortran、bashが書ける程度。今思えば、この状態でよくフリーランスエンジニアになろうと思ったとものだと感心してしまうほど、何も持っていなかった。

とりあえず、Fortranの仕事が紹介されていた数少ないサイトに登録したことが始まりだった。

Fortran・・・

登録したサイトの1つは、エージェントと対面で1度話す必要があった。
Fortranで月50万ももらえる仕事があるなんて、世の中なんて素晴らしいのか!と興奮しながら意気揚々と待ち合わせのカフェに向かったのを今でも覚えている。

エージェントに自己紹介し、FortranのFoと発音したあたりで、エージェントの気まずそうな顔色に変わったのが印象的だった。その意味は、すぐにわかった。Fortran案件は今は一切募集していないことを告げられ、世の中そんなにうまい話はないということを知ることになった。

Fortran案件があれば紹介するということで、その日ただ人と会いお茶をしただけで終わった。結果を得られなかったことに加えて、お金のなかった当時は交通費がそこそこかかったで、余計に意気消沈して帰宅した。

運も実力のうち?

現実を知ったその日から、2週間程度たったある日昼下がりに出先で知らない番号から電話を受けた。相手はFortran案件のエージェント会社の人で、内容を端的に述べると、クライアントとの面談で予定していたエンジニアが体調不良で今日急遽面談に受けれる人を探しているとのことだった。何も持たなず、暇を持て余していた当時の自分は、即答で行きますと返事をした。業務内容もわからず、数時間後クライアントと面談することになった。

これが大きな人生の転換になるとは、その時は知る由もなかった。
(この一文は一度言ってみたかっただけ)

集合場所の駅で、Fortran案件のエージェント会社の初めて合う人と出会い、すぐさま別のエージェント会社の社員に身柄を引き渡され、クライアントとの待ち合わせの場に向かう。出先から何の準備もなく、直接向かったため身なりもチノパンにカジュアルなシャツという学生の普段着で面談をすることになる。


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