トンネルの出口目指して
5月28日 神宮球場にて。ヤクルトは広島カープと対戦。
ご存知の通り、ヤクルトは11連敗中。そこに来て調子を取り戻した首位の広島。現状のチーム状況を考えればヤクルトは部が悪いだろう。でも、そういう時こそ、ヤクルトはミラクルをやってのけるチームだ。
泥沼だのなんだのネットニュースは11連敗をうだうだ言ってるが、11回負けても11回勝てばチャラだ。
世界のAokiが頭を丸めた。その意気込みだけでもう11連敗しても11連勝するんじゃね?とさえ思える。
今日は原樹理ー井野コンビ。
昨年、ジュリといえばイノさん、という風にうまく噛み合ってた事は記憶に新しい。色々期待せずにはいられない。
今日はもしかしたら原樹理無双モード入っちゃたっり?
そんな淡い期待を容赦無く赤い所が打ち砕く。
先発が無残にも5回待たずして大炎上する。
目を覆いたくなるスコアボード。
この連敗中何度も見た光景。
でも、いつもならここで打線も力入って空回りというパターンだが、今日は違った。4回の裏、山田のソロ、村上の2ランHR、怒涛の攻撃で一気に5点を取る。
興奮した後ろの席の集団が叫ぶ。
「盛り上がってきた!!!」
「楽しい!!!!!」
そう、忘れていた。ヤクルトってこういう野球するのよ。こういうチームなのよ。なんだ分かんないんだけど、すごいんだかダメなんだかもうめちゃくちゃな、そんなチームなのよ。
その後もひっくり返しそうなムード、場面、沢山あった。
そして最後の9回裏。
一打席、一打席、私は祈った。
こんな打てるチームが、こんな点取ってる楽しいチームが、こんな死にもの狂いで頑張ってるこんなチームが、こんなに負けるなんておかしい!
お願いだから勝たせてくれ!考えつく限りの色んな所に祈った。
野球の神様、仏様、大引神社さま、氏神様、神宮なんだから明治神宮に祀られてる様々な神様、、そして心の中で、無意識に10年前に他界した父に、頼むから勝たせてくれ、と願っていた自分に気づいて我ながら驚く。父が亡くなってから、そんな事は始めてだった。
たかが野球、されど野球。
ここまで心の底から勝利を願わずにはいられない。
一体なんなんだ、野球って。
9回裏、2アウト満塁で回ってきたチャンスに、奥村のバッドは豪快に空振り。ゲームが終了した。
その瞬間、こんな凄いチームのヤクルトは、今日も負けた。
12連敗ってやつだ。
今日はよくやった、と思う。あとちょっとだった。
奥村の第一、第二打席は素晴らしかった。
未来のツバメの若頭。村上、(そして廣岡も忘れてないぞ)、奥村。
最後の三振も、まだ経験の差で負けただけだ。次に繋がる。
でも本当に今日、勝ちたかった。
心の底から。
悔しくて、悲しくて、でも頑張った選手に熱い思いも込み上げて、野球の楽しさ、でもなんでなんで勝たせてくれないんだ!という怒り。
気分はもうぐちゃぐちゃだった。
ヤクルトの黄緑ポンチョを脱ぎ、足早に球場を出ると、あれだけ降っていた雨が止んでいた。
やまない雨はない、そう人は言う。
今日はちょっとだけ止むタイミングがずれた。
ただそれだけだ。
家に帰り、ふとチェックしたつば九郎のブログ。
ここ最近、つば九郎はヤクルトの連敗についてあまり触れていなかった。
競馬の話だったり、始球式の小池えーちゃんの話だったり。
あたかも、連敗?ああ、してますけど、そのうちそのうち、ね、と言わんばかりに。
普段通りのブログが続いていた。
でも、一番側でチームを見てる、25年間もスワローズを愛してきたあのオスが、今のこの状況で、痛みを、苦しみを感じていない筈がなかった。
「あき、はるとくるしいきゃんぷを、いちばんちかくでみてきたから、こんなんぢゃない、こんなはずちゃないとおもってるよ。しんじてる。つばくろうにできることは、とんねるのでぐちは、こっちだよー❗って、てらすこと。おうえんのみんなは、おおきなこえで、でくちで、こえかれるまでせいえんしてもらうこと。ちーむのみんなは、そのでぐちをめざして、ぜんりょくではしりぬけること。とられたらとりかえす、やられたらやりかえす。まだ5がつ。あきらめるはずがない。」
本気で涙した。
いい歳した大人が、たかが野球に何をこんなに入れ込んでるのだ?
自分で思わず突っ込みたくなるが。
たかが野球。されど野球。
仕方がない。こんなに心が動かされるんだから。
スワローズのサイトを開き、明日、29日の試合のチケットを購入した。
明日こそは。
何度も繰り返すその言葉。
でも、今日は確実にトンネルの出口が照らされたのだ。
私が明日、神宮に行っても行かなくても結果は何も変わらないだろう。
でも、ツバメたちが長かったトンネルの出口を出た瞬間、少しでも照らす光は多くて賑やかな方が良いのではないだろうか?
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