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『お金の器』を広げるマインドセットを得て、一気に大台突破へ -4-

売買の成績が上向き始めたことをきっかけに、もしもの時のためにとっておいた現預金を追加で投入しながら、来る日も来る日も、判を押したようにパソコンのモニターに向かい会う日常を過ごしていました。


私がトレーディングを行っていた2006年から2011年にかけて日本の株式市場は、それまで数年間続いていた上昇トレンドから下落トレンドへとシフトしていく期間でしたので『短期の逆張り』というトレード手法を得意とする私にとってはに有利に働きました。


2009年に世界金融危機の下落局面を信用取引枠を使って買い下ってしまい、2千万円を超える損失を出してしまったことがあります。 (それ以降、信用取引口座を閉鎖して、一切、お金を借りて売買することを辞めました)


ですが、それを除けば、売買を繰り返すことで利益を積み上げることができていました。私は自分のトレーディングのスタイルというものを確立していました。数年間の間に、下落銘柄に完全特化した売買を数多くこなしたことで、


・下落の原因となる材料
・売買高
・マーケット全体の地合い
・チャート
・財務状況の推移


を確認すれば、直観的に、買い注文を入れる指値の水準を感じ取れるようになっていたのです。


私は、自分の『直観』を頼りにするタイプのトレーダーでした。こころの声に耳を傾け、聞えてきた小さな声にそのまま従うのです。


年が明けて2011年となり、かれこれトレードを続けて5年近くが経過しようとしていました。この間、父の死、母の手術とリハビリがありました。


そんな中、私自身、心境の変化を感じていました。


トレーディングを続ける日常は、それなりに自由なものです。1日のスケジュールは誰かから強制されるものではないので、例えば、「今日は休みにしよう」と思えば、自分の裁量次第でそうすることもできます。誰かからとがめられることもありません。


『職場の上司のパワハラが原因で不眠症に悩まされる』などといった人間関係のトラブルもありません。気ままといえば気ままな人生と言えるでしょう。


しかし、トレーディングという行為は、 傍から思われるよりも、想像以上に肉体的・精神的な消耗が大きいのです。


マーケットが開いている時間以外も、パソコンのモニターに向かい情報収集などは必要になります。目には相当な負担がかかり続けていますので、慢性眼精疲労状態です。


首こり・肩こりは当たり前で、美容室で肩のマッサージをしてもらう時には必ずと言ってよいほど驚かれてしまいます。


かといって福利厚生などありませんので、体を休めるために休暇を取ってしまうとその日の収入は、文字通り "ゼロ" です。


また、トレーダーは自分の体が資本です。ですが、そうはいっても体調を崩してしまったり、精神的な波などの影響で調子を落としてしまうことはあります。 些細な変調がきっかけとなり大きな損失を出してしまい、退場に追い込まれる人は少なくありません。


マーケット全体のトレンドが変わることで、それまで通用していた手法が急に機能しなくなるなどということもあります。トレーダーの変わり身は素早く、まだ資金に余力がある内に、飲食店や美容室の経営へと転身していく人もいました。まるで辞めるきっかけをあらかじめ探していたかのようです。


延々と孤独に株式の売買を続けるという行為は、ある面において、着実に一人の人間の精神を摩滅させていくのかもしれません。


思考のバージョンアップの準備が整いました


私は明らかに何らかの変化が必要であること感じ、その答えを探していました。


そんな折、私はある運命的な一冊と出逢いを果たしました。



ロバート・キヨサキ氏の『金持ち父さん。貧乏父さん』という本です。


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何がきっかけでこの本を手に取ったのか思い出せないのですが、日々変化していた自分自身の思考がこのような現実を引き寄せたのだと思います。


その本の中には、当時、私が抱き続けていた問いに対する答えが書かれていたのです。


この本の中には、具体的な投資のテクニックなどは書かれていません。
そうではなく、やや抽象的な表現になりますが、『富を引き寄せる思考の在り方とその使い方』ともいうべき内容です。それらが寓話を交えながらわかりやすく紹介されていました。


例えば、この本の中に、こんな一説がありました。


金持ちは資産を手に入れる。中流以下の人たちは負債を手に入れ、資産だと思い込む。


そして、こう続けます、資産は私のポケットにお金を入れてくれる。負債は私のポケットからお金を取っていく


私はそれまで漠然と、資産といえば、かっこいい車や、大きな庭付きの自宅、それに合わせた家具や、最新の家電製品のようなものだと考えていました。ですがこの一節で自分のお金に関する現実が崩れ落ちました。


すぐには私は、不要な雑誌の定期購読を解約し、乗ることの少なくなったバイクを下取りに出し、着る機会の少ない服を処分することにしました。


また、トレードですぐには使わない資金を現金で寝かせておくのではなく、社債などで保有し、なるべくキャッシュフローを生み出す資産へと入れ替えるようにしました。


私はこの本を読んだことで、


日がな一日、売買を繰り返して利益を得るというケージの中のモルモットのような思考から、


『可能な限り優良な資産を手に入れることに意識を集中し、資産を働かせる』ことで豊かになるという思考へとマインドシフトをするきっかけを得たのだと思います。


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これを機に、私は自分の投資スタイルをこれまでの短期売買から中・長期投資へと徐々に移行させていくことになります。

つづく

https://note.com/288cla5513/n/neaa66e81a897


お読みいただき、ありがとうございました。

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