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睡眠時無呼吸症候群の治療器

なぜ、薬は飲むのに治療器を使うのは悩むのか  


1.治療器とは

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簡易検査をしてAHIの値が40以上の場合、もしくはフル検査をしてAHIが20以上の場合は主にCPAPという治療器を病院から紹介されます。
※AHIの説明は、検査器紹介のブログで説明していますので、見て頂ければと思います。

CPAPとはContinuous Positive Airway Pressure(陽圧持続呼吸療法)を略した名称です。
一般的には機器そのもの、それを利用した治療法を指示して呼ばれています。

器械の仕組みとしては、お部屋の空気を器械が取り込み、圧力を加えた空気に変換してホースとマスクを通り、鼻から体内に入ることで塞がっている気道を強制的に圧力で塞がらなくし、無呼吸を防止するといった器械になります。

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結論からお伝えしますが、CPAPを使っている間は無呼吸やいびきが改善されますが、お酒など飲んで、使用せずに寝てしまうといつもの質の悪い眠りに戻ってしまい効果がありません。この器械は根本的な治療はできないのです。
そこが治療薬との大きな違いになります。
この治療器は対症療法と言われている治療法になります。

対症療法=(病気の原因に対する治療ができない場合)とりあえず患者の症状に対応して処置をする治療法。比喩的に、根本的な解決ではなく、現れた情況に即して行う処置のしかた。

しかしメリットしては、薬と違い副作用がなく使用をしても体に不具合が出ることは、ほとんどありません。
その為、悪い意味での体調の変化はないので続けることが容易になります。

もう1つ、CPAPを使用する上で注意して欲しいことは寝ている時に常時、風が流れている事です。
これは基本的に通常、寝ている時には起きない現象です。この影響で、最初は違和感不快感が出てきます。鈍感な方やあまり気にしない方は、そこまで弊害にはなりませんが、敏感な人・繊細な人は、この部分で継続が難しい方が多いです。
寝るまでに意識があるので、少しの期間頑張って使う必要性が出てきます。
しかし人間は面白いことに、2週間から1か月継続ができれば、段々と慣れてきます。
しっかり効果はあるので、何事もそうですが継続して行うことが大事になってきます。
※使用していて困ったことがあれば、器械の業者に連絡してください。
 設定の変更やその他の対応をしてくれますよ。(Drへの相談でも大丈夫です。)


2.費用面

使用に関して問題になってくる費用について紹介します。

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費用は毎月病院を受診する際に外来でお支払いをすることになります。
(クリニックであれば受付)
導入の際に、業者の方が使い方の説明にくるので、業者に支払うイメージが強いですが、請求書等は一切届きませんのでご安心してください。

最近ではコロナの影響もあり、病院へ行きたくないという人も多くいらっしゃると思いますが、安心してください。
最大2カ月は受診をしなくても大丈夫です。3カ月目の月のどこかに病院を受診すれば保険診療上問題ありません。
保険診療
3割負担 4,050円
2割負担 2,700円
1割負担 1,350円

になります。
単純に1か月目は受診せず、2カ月目に受診すれば、この金額の×2になります。(少し費用は変わります…)

薬に比べると少し高いと感じた方も多いと思います。そこが、始める際の問題になり、続ける際も継続して払わなければいけないという影響が大きい部分になります。

しかし、考え方を変えるとCPAP治療をせずに、無呼吸を放っておいたとして歳を重ねてからの病気につながると考えたときに、入院や飲む薬の数を考えると費用を最小限で抑えることもできるのではないかと考えられます。

3.マスクの重要性

CPAPを継続するためには使用するマスクの選択もかなり重要になってきます。
マスクの種類には大きく3つあります。

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①ネーザルマスク
鼻だけを覆うマスクになり、CPAPでは一番使用されているポピュラーなマスクになります。

メリット
・寝返りをしても、マスクの隙間が出来にくく空気が漏れずらい。
・装着感が少なく、寝る時に気になりにくい
・組み立てが容易
・軽量

デメリット
・締めすぎると鼻の周りに型がつく
・視界が少し遮られる
・口が開く人には効果がない 

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最近では、マスクも進化してきており、おでこにフレームがなく視界が良好な物や眼鏡をかけた状態でマスクを装着できるもの出てきております。

ネーザルマスクの種類も何種類かあるので、さらに選択肢があります。

②フルフェイスマスク
鼻と口を両方覆うマスクになり、CPAPで寝ている時に口が開いてしまう方に使用されるマスクになります。
ネーザルマスクで使用が難しい方が使うマスクですので、これを最初に紹介されることは少ないかと思います。

メリット
・口が開いてしまう人に使える
・寝返りでマスクがずれにくい
・面積は広いので風の圧を感じにくい

デメリット
・装着感が強い
・鼻と口を両方覆うので圧迫感が強い
・重さが鼻マスクよりも重い
・視界が遮られてしまう

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最近では、改良されて視界が遮られないものや重さが軽いものなど、昔と比べて使用しても、あまり気にならないくらい良くなっています。

③ピローマスク

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あまり初回で紹介されることがないマスクになります。
このマスクはメリットもあるのですが、デメリットも多くあるので
どちらかというと最初のネーザルマスクでうまくいかない人に選択肢の
1つとして紹介されることが多いと思います。

メリット
・装着感がかなり少ない
・顔にマスクの型がつかない
・視界が良好
・軽量

デメリット
・寝返りの際ずれやすい
・鼻の穴が変形する可能性がある
・受け止める面積が狭いので風の圧を強く感じやすい

今回は3つのマスクを紹介させて頂きましたが、ほかにもメーカーによってたくさんマスクの種類があります。

使用をしていて、不満があれば相談してマスクを変更してもらいましよう!!



4.まとめ

今のところ、閉塞性睡眠時無呼吸症候群を完全に治す治療薬は存在していません。
寝る時にCPAPを使うか、生活習慣を見直し、減量して無呼吸が起こらない事を目指すしかありません。

しかし、ほとんどの人は無呼吸が起きていても、見ないふりをしてそのまま放置される方が多いです。
それが原因で寝不足であっても、歳のせいや疲れのせいにして先送りされるケースが多いと思います。

必ず治療してくださいとは言わないですが、一度病院へ行き検査をして現在の状態を知るだけでも今後の生活が変わってくると思います。

薬は皆さん拒まず飲まれますが、CPAPの重要性の認知はまだ低いです。
この記事を読んでいただき誰かの行動につながれば嬉しいです。

睡眠時無呼吸の記事はこれで以上になります。

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興味があれば寄ってみてください。


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