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鈴を持つ者たちの音色  第二話 ”α”-ゴールド

WA(輪)とGA(我)が向かった”α”-ゴールド地帯は”グランドライン”の北側にあった。”グランドライン”の背中側とも呼べる。
そこには、そびえ立つ天空の壁があった。
巡回員ゴールドは言う。
「君達の”α”地帯は洞窟には入らない。この壁下からクライミングで頂上まで登り切る。壁下がスタート、頂上がゴールとなる。簡単だろ。」
そう言い残して去っていった。

WA(輪):「クライミングなんてはじめてだよ。」

GA(我):「僕は過去のオリンピック競技の映像で見たことあります。同じくやったことはないですけど、理屈はわかります。真似でいけるかな?頂上まで何百メートルあるのだろう?ここから見ても頂上なんて見えない。とても素人はノンストップで登り切るなんて無理な様な気がします。」

WA(輪):「おかしいと思わない?私らは小さい頃から20歳になり、この任務を巡回と聞いている。しかし、今、この壁を見てみろよ。これはあからさまに試練としか言いようがないじゃ無いか。本当に毎年こんな任務が行われているの?毎年行われているにしては、脱落者がいなすぎる。こんなんじゃ命を落とす者がいてもおかしくない。」

GA(我):「そうですね。君の言う通りです。これは何と言うか、篩にかけて優秀な人材だけを生き残す、ような、そんな試練の用にも感じます。脱落者は去年ひとり?ほんと?って思います。」

WA(輪):「この任務には何か裏がある。そう思えて仕方ないのよ。ゲインはああ言ってたけど、KNOCKはおそらく死んだんだ。今探してもきっと見つからないよ。」

GA(我):「他の組みも、こんな内容だと、これは大変ですね。皆んなきっと驚いてる頃でしょう。そして明日には、はっきりする。生きて会えるかどうか。」

WA(輪):「そうだな。よし。時間がない。体力を残しつつ、ゆっくり登って行こう。おそらく私らは1時間も続けては登れないだろう。15分登って、休んでをとりあえず繰り返して、どのぐらい登れるか勘定してみよう。頂上までの距離が分からないから、どうやって頂上までの距離を試算できるか考えながら登ろう。ただ登るだけじゃきっと体力と筋力を消耗するだけだ。それは命に関わる。登る配分を計算して行こう。」

GA(我):「OK。お互い会話ができるぐらい寄り合って登りましょう。僕らはふたりでワンステップ。ふたりいて、ようやくワンステップが踏めるのです。どちらかが勝手に先に進まないこと。それはどんな事があってもです。どうですか?いいですか?」

WA(輪):「ラジャー。君のことはまだよく分からないけど、ミッションを達成するまで。この胸に誓おう。」

WA(輪)は小ぶりな胸と胸の間に、握った左拳を軽く叩く仕草を見せた。GA(我)はその時に一瞬、揺れた小ぶりな胸の震えを見逃さなかった。

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