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【仕事雑記】看取りに必要なスキル

業務上「看取り」をすることがありました。


ドラマとか映画とかで、
しずか~な雰囲気の中、
一挙手一投足、ゆっくり声掛けして、身体を拭いて…
ご家族と生前のお話をしながら…
みたいにやっているやつ。


これを行うにあたり、一番大事だなと思うスキルは

「空気を読むこと」
だと思った話。


経験上、この業務にあたるときは夜~早朝にかけてが多かったように思う。夜勤帯とか。
病状にもよるけど、亡くなる前の方は予兆があるので
夜勤に入る前に「今日もしかしたら…」みたいな予感がします。

(予兆とは?ってなるかもなんですが
それについては長くなりそうなので、気が向いたら書くかも)


それで仕事中、その予感通りになると空気読み発動です。
毎秒MP消費しながらいろんなことを考えます。


・家族の人いつ呼ぶ?

・(もういるなら)主治医いつ呼ぶ?

・(裏で主治医に連絡して)いつ部屋に入って「いよいよです」な空気を出すか相談する。いつ行く?

・(家族が来るまでに)点滴とかモニター類とか、ごちゃっとした外せそうなものは外す。ベッド周りをきれいにする。
⇒これは何か心がけていた。なんかこう、治療の痕みたいなものが無造作に残ってるのって嫌な感じがするため。先輩の教えでもある。

・事務作業、どこまで進める?
(いろんな書類の準備、退院手続きの準備、伴う各所への連絡、カルテの記載、薬の処分など いろいろ)


ぐるぐるいろいろ。
他の受け持ちの方もいるので、そちらもおろそかにせず、
しかし70~80%くらいの力を看取り業務に注ぐようにやっていました。

他の夜勤メンバーも、空気を読んで
そちらを手伝えるようにマルチタスクをこなす。
(良識的に手伝うのもあるけど、自分が同じ状況になったときに手伝ってもらえるように。ドライな考えも必要)


まあ、いろいろあって、
主治医の死亡確認後に本格化します。

自分のいたところは急性期病院なので、部屋が空けば次の患者のために速やかに空けないといけない。

なので非常にドライですが、さっと退出してもらわねばならない。

出棺のためには、家族から葬儀会社に連絡してもらわないといけないので
お別れの時間を十分取りつつ
「何時ごろ来られますか?」とうかがわねばならない。

その時間までに、事務処理とエンゼルケア、並行して生きている他患者に対する業務も行わねばならんからだ。
朝にかぶると難易度が跳ね上がる。


いよいよエンゼルケア(体をきれいにして、着替えて、軽く化粧をする)
~出棺までがMAX気を遣いまくる。
他者の大切な人のご遺体に触るんで、そりゃ失礼がないようにって。
他患者にも(隠しきれないとこはあるけど)ある程度配慮して移動したりばたばたするのでまわりにも気を配る。


何回やっても、終わった後に感じる疲労は変わらず。
人の死を目にすることの精神的ストレスも少なからずある。
(悲しいかな、ある程度までは慣れる)
入退院を繰り返して、関係性があるとさらにダメージ+。

ようやってたなあ。(ようやってるなあ)


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重めの話題なので
かわいい鳥ちゃんの写真でお茶を濁してチャオ。



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