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「スポーツによる社会課題の解決」を目指して

進まない行政と総合型地域スポーツクラブの協働

個人的なことで恐縮ですが、私がスポーツ事業等を行う一般社団法人を立ち上げてから6月1日でまる8年となります。
4月から法人の9期目はスタートしていますが、先日社員総会があり今年度の事業計画・予算等が承認されたところです。

今年度は、理事のメンバーも一部変わり、スポーツ事業を行う総合型地域スポーツクラブの名称も一新する(名前はまだ未定です)など「リ・スタート」してスポーツ事業による社会課題の解決に取り組むこととしていますが、そもそも私が市議会議員として活動するきっかけとなったことの一つ、「行政と地域活動を行っている団体との協働がうまくいっていない」という問題を解決したいということがありました。

具体的にいうと、総合型地域スポーツクラブは花巻市でも3団体しかなく、その中で、総合型クラブが地方自治体等とパートナーシップを構築し、公益的な事業体としての役割を果たしていくための条件である「登録・認証制度」に基づいて認められたクラブは、私が代表を務める総合型地域スポーツクラブだけです。

国(スポーツ庁)では、総合型地域スポーツクラブの重要性を謳っており、私たちのクラブも様々な事業の提案を行い、前向きに連携しようとしてきたにも関わらず、市はこれまでの事業を見直すこともなく頑なに既存のシステムに拘泥し続けていました。

そのことを痛感したのが、2年前に行われたスポーツ推進計画の見直しで、このことは、昔のnoteの記事でも書いたので時間があれば読んでみていただけると幸いです。

話は戻りますが、今年度から「リ・スタート」した法人の第1回理事会において「地域のスポーツの課題とこれから」についてメンバーから様々な意見・提案がありましたので、それらを含めて「花巻市におけるスポーツの課題」について考えてみたいと思います。

「中学校部活動の地域移行」問題

私が市議会議員になって最初に取り上げたスポーツの課題が「中学校部活動の地域移行」でした。

この問題については、市議会議員となる前も様々な場面で行政に提案してきましたし、クラブとしても独自にシンポジウムなどを開催してきました。

令和4年9月議会の一般質問では中学校部活動の地域移行について質問し、市の教育委員会から「部活動の地域移行の在り方について関係者と協議しながら検討していく」という答弁がありました。

現在も検討は行われていて、中学校単位でのモデル事業も行われているのですが、市の教育委員会のスタンスは「部活動をどうやって学校の先生から解放して誰かにやってもらうか」といった視点で地域移行を考えているような気がしてなりません。

もちろん、部活動の地域移行の問題は「先生の多忙化の解消」が重要であるのはその通りです。
一方で、そもそも少子化により、競技によってはチームとしての存続ができない部が今後増えてくることは確実な状況で、そういったことも踏まえた「全体的な部活動の在り方」について計画的に取り組む必要があると思います。

しかしながら、その問題に対して市当局が本気で取り組んでいるようには見えません。
実は、この問題は教育委員会が中心となって進めていることに一つの原因があって、花巻市における中学部活動の地域移行については「教育委員会と市担当部局の連携不足」により、全体的な部活動の在り方の道筋を見出せていないのが実情です。

連携不足というよりも、この中学校部活動の地域移行に関しては、市の担当部局(生涯学習課、スポーツ振興課)のスタンスは極めて消極的に見えます。

先ほど取り上げた部活動の存続の問題のほかにも、指導者確保の問題や、地域移行に係る保護者の金銭的な負担の問題など、取り組んでいかなければならない課題がいろいろとあるはずなのに、「全体的な部活動の在り方」の方針を決め計画的に課題解決を進めていくプロデューサー的な立場の人(組織)がない。

私たちのクラブでもいいし、別のクラブでも市の体育協会でもいいのですが、そういったことを前向きに検討していっている地域の団体もあるので、保護者や指導者など現場の声を吸いあげる話し合い(ワークショップ)などを行いながら、全体的な部活動の在り方を決めて計画的に課題解決に向けて取り組んでいくべきと考えます。(というようなことを2年前に一般質問でもしたはずなのですが・・・)


「スポーツツーリズム」問題

みなさんは「はなまきスポーツコンベンションビューロー」という組織をご存じでしょうか。

花巻市では、平成23年に「スポーツ大会やスポーツ合宿を通じて地域の活性化を図るための」官民連携組織として「スポーツコンベンションビューロー」を設立しました。

私は当時市の職員でこの組織の設立に携わったのですが、本当は2年くらいかけてじっくり組織化したかったにもかかわらず、当時の市長からすぐに立ち上げるように指示された経緯があります。

当時、岩手県でもほとんどなかった組織で、立ち上げの時はインパクトはありましたが、実はどうやって組織を運営するのか、とか、どういった事業をやっていくのか、という点を詰め切れておらず、当時と同じ状況のまま現在に至っているような気がしています。

「スポーツコンベンションビューロー」による「スポーツ大会」や「スポーツ合宿」の誘致もあまり上手くいっているようにも見えませんし、実際組織が機能しているようにも見えません。

最近、国では、観光でスポーツを楽しむ「スポーツツーリズム」を推進しています。

観光庁のみならずスポーツ庁においても「スポーツツーリズム」を推進していて、その先取りとして立ち上げたはずの「はなまきスポーツコンベンションビューロー」が停滞していることに関して、設立にかかわった身からすると忸怩たる思いがします。

やはり、もう一度組織の見直しを図るとか、新たな事業構築に取り組むとか、こちらも「リ・スタート」を図るべきではないでしょうか。

今年度の募集は終了しましたが、スポーツ庁でもスポーツツーリズムのコンテンツを創出する地域を毎年支援しているので、ぜひそういった制度を活用しながら効果のある事業展開を図るべきと思います。


「スポーツのまち はなまき」

これまでの記事でも取り上げていますが、花巻にゆかりのあるアスリートのおかげで市外の方からは「スポーツのまち はなまき」と認識されています。

昨日も、全国各地から花巻にいらっしゃった方々と懇親を深めたのですが、やはり「大谷」「菊池」「麟太郎」「花巻東」というキーワードが飛び交っておりました。

先に挙げた問題のほかにも、スポーツ人材の確保や、スポーツで稼ぐ環境づくりなど様々な課題が山積していますが、市外からの認知度に見合う「スポーツのまち」にするためにも、これまで以上に「スポーツによる社会課題の解決」に取り組んでいきたいと思っています。

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