見出し画像

入院メモ(day-1)

7月16日

昨晩深酒してしまい4時くらいまで起きていたが今日夜眠れなくならないように7時半に起床。

入院当日にもかかわらず準備が手付かず。
資料確認すると、未記入の書類が4枚もある事が判明。事前に全ての書類を準備していない自分にガッカリしつつ慌てて記入、捺印する。

画像2

どの鞄を使うか迷ったが、曇天ながら雨も降っておらず、徒歩で向かうことにしたのでいつも広島出張で使ってたキャリーバッグを半年ぶりに使うことにした。

久しぶりのサムソナイトはちょっと拗ねているように感じたが、キミを放置していたのは世間を騒がせているあのウイルスのせいであって私のせいではない。

病衣はレンタルするので着替えは下着、靴下くらいで充分。

シャワーも退院時しか浴びれなさそうなので試供品のシャンプーで充分。

ポディーソープなどは旅行用のものなどが無かったので病院のコンビニで調達することにした。

今回個室なので仕事用とプライベート用のラップトップ両方とも念のために入れた。
仕事する気は基本的にない。

携帯やApple Watchの充電器等も忘れずに入れたしまぁ大丈夫だろう。

一応出発ギリギリまで粘ってシャワー浴びて身支度。シェーバーや電動歯ブラシも入れ忘れないように。

病衣はポケット無さそうだなとふと気付き、先日の雨宮未來ちゃんおたんじようびかいで売り出された未來ちゃんデザインのサコッシュを入れた。

あと御守りで代代代のタオルも入れた(タオルはレンタルするので使いたい放題だが)

病院の中は殺風景で味気ないので少しお気に入りの物を入れておくだけで気分が違う。

11時13分に家を出発。

Googleマップで徒歩17分なので、11時30分までギリギリだがまぁ少し遅れたところで問題ないはずだ。

ガラガラと音を立てて初めて通る近所の道を抜けて見晴(みはらし)トンネルを目指す。
病院はトンネルを抜けた先にある。

程なく知っているバス通りに出る。
トンネルに続く道だ。
サムソナイトと一緒に歩く先が広島ではなく病院であることに不思議な感覚を覚えつつ、何度も通ってはいるが初めて歩く道を進む。

トンネルを抜け、信号を渡る手前で後ろからけたたましいサイレンを鳴らしながら救急車がやってくる。

トマッテクダサイ!
ウセツシマス!
トマッテクダサイ!

交差点付近の車を牽制しつつゆっくりと交差点を右折していく救急車。

その向かう先に今回の入院先である横浜市立みなと赤十字病院はある。

到着は11時32分。
まぁほぼ定刻通り。

画像1

総合案内のお姉さん(私の年齢から見て年上という意味だ)に入院受付の場所を聞き、事務手続きに入る。

今回、一番安い個室の希望を出していたのだが残念ながら最安の病室は空きがなく、2段階高い部屋を紹介された。

最安値の部屋の差額ベッド代が12,100円で今回確保できたのが15,400円。その差1日あたり3,300円で順調にいけば3泊4日なので13,200円の出費増だ。

あのウィルスのおかげでホテルは価格破壊を起こしてるこのご時世において、この個室料金はあまりにも高く感じてしまうが、今回は個室にすると決めていたのでやむを得ず了承。
トータル6万オーバーか…
まぁ大部屋で不快な思いをするくらいなら必要経費と考えるしかない。
もういい歳の大人なのだ。

因みにホテルなら3泊4日は3泊分だが病院の3泊4日は4日分の料金がチャージされることを今回初めて知った。
エグい商売だなと思うが需要があるから成り立っているのだろう。

病院のパンフレットを見ると最上級の部屋はリゾートホテルのような佇まいでコンシェルジュも付くとか。
一体どんな人が利用するのだろうか?
政治家がスキャンダル発覚で体調不良になったときくらいしか思いつかない。

画像4
画像3

事務手続きが一旦終わり、病棟に入るのは13時とのことなので、それまでランチを取ることにした。

病院に入っているのはタリーズコーヒーと病院備え付けのレストラン(食堂といった方がイメージは近い)。あとはファミマ。

どれも入院前に最後に食べるランチに相応しいとは感じなかったので近隣にもっとマシなところがないか探すことにした。

少し来た道を戻ると大通りの交差点脇にこじんまりとした店を見つけた。
Cafe & Dining Dongkang
ここでランチを頂くことにした。

サーフボードが天井付近の壁に飾られた店内はオシャレすぎず、程よいあたたかみを感じさせてくれた。

ランチメニューの中から今月のパスタとサラダ、ドリンクのセットをオーダー。

料理を待っている間、セルフサービスの水を汲みに行き戻ってきたときに、壁によくあるサイン色紙が飾ってあるのに気づき、どんな方のものがあるのかとしばし眺めた。

何故かバイクとかモトクロス?の選手のものが複数あった。

所謂有名タレントさん的なものが見当たらない中、CKBの横山剣さんのサイン色紙を見つけた。

画像5

彼は今でも横浜市中区に住んでいるとのことなので区内のカフェに現れても何ら不思議ではないが、壁にあったサイン色紙の中で唯一知っている人のものがあったことに少し嬉しくなった。

ここで言う知っているは、TVで見て知っているという意味ではない。

私と剣さんは、27年くらい前に横浜の大黒埠頭で車両を自走で移動させるアルバイトの所謂バイト仲間だった。
当時から彼はCRAZY KEN BANDを既にやっており、一度バイト仲間の人達でライブを観に行ったことがあった。
バイト中の剣さんは腰が低くて物静かで穏やかな人だったがステージに立つ彼は全くの別人だった。
とにかく一挙手一投足がキマッていていちいちカッコ良かったのを今でも覚えている。

残念ながら向こうはこちらのことを覚えてはいないだろうが(当時の私はバイト先ではそれほど記憶に残るような存在ではなく所謂モブキャラ的存在だった。今もそうかも知れないが…)それでも私にとってはまだ売れる前の横山剣さんと一緒にバイトしていたことや、当時のCKBを観たことがあるという事実を勝手に誇らしげに思っている。

そんな昔話を思い出している間にセットのサラダとアイスティーが運ばれてきた。
パスタが来るまで待って写真撮ってから食べようかとも思ったが(実際いつも大体そのような事をする。料理の写真を撮るのが大好きなのだ)、今日は無性に目の前の小さなシーザーサラダが食べたくなってパスタを待たずに口をつけ始めた。

シンプルに旨い。

これはパスタも期待出来るかも知れないなと思っていたらすぐに今月のパスタであるタコのジュノベーゼが運ばれてきた。

やはり待つべきだったかなと少しだけ後悔しつつパスタ単体で写真に収める。

そして期待に胸を躍らせながら口に運ぶ。

はい、優勝。

思わず心の中で呟いた。

タコは大ぶりのぶつ切りでゴロゴロとふんだんに入っており、平打ち麺の生パスタとジュノベーゼソースとの相性も抜群で最高に旨い。塩もバッチリキマッており、シャバの最後のランチ(もちろんすぐ戻ってくるつもりだが)にふさわしいものになった。

画像6

聞けばお店はまだ出来てから6年ほどとのこと。そういえば剣さんのサインも2019と書かれており最近のものだった。

さて、そろそろ病棟入りの13時が近づいて来た。

会計を済ませ、また退院の日に来ますと挨拶をして店を後にした。

外の天気はさっきまでの曇りからバカバカしい程の晴れに変わっていた。


病院に戻り、7階の病棟にエレベーターで昇り、事務手続きで指示された通りにC病棟のナースステーションへ向かう。

別な場所で少し待たされ、また少し事務手続きがあり、必要な書類を提出する。

病衣やタオルに関する説明を受け、病室に案内された。当たり前だが清潔感しかないシンプルかつ充分な個室。

部屋の設備の説明を一通り受ける。
小さいがTVも冷蔵庫もある。
個室なので消灯時間も自由だそうだ。
持ってきたPCも使えるし、携帯の電波も良好だ。
ありがたい。

一番安かった部屋との違いはシャワーがあること。但し今回の入院中シャワーを浴びることができるのは今日と退院日のみ。
ありがたくない。

広島でのホテル暮らしが長かったせいか、ココが病室であるにも関わらず、何故か落ち着かない感じはない。むしろこの半年ずっと自宅の部屋に居たことで、外泊を心の中で歓迎しているのかも知れない。

画像7

とりあえず病衣に着替えて待つように言われ着替える。案の定ズボンにもシャツにもポケットは無い。サコッシュを首から下げてみる。とてもかわいい。テンションが少し上がる。おじさんだってかわいいものが好きな気分のときだってある。むしろかわいいおじさんになりたい気持ちさえある。最終的にかわいいおじいちゃんになるためにはその前段にかわいいおじさんという通過点があるに違いないのだ。

画像8

そうこうしていると、外来のフロアで心電図を取るように指示され1階へ。
心電図の検査は入院前に何度もやっているのでもう慣れたものだ。

病室に戻り暫くすると担当看護師の方が現れた。Tさんという男性看護師だ。第一印象は悪くない。色々と入院中の段取りを一通り説明してくれた。過不足ない説明で、苛々させられることもなく、良い関係性が保てそうだ。

説明を聞いて新たに分かったことは、カテーテルは鼠蹊部だけでなく、首と手首からも入れるということ。首から入れると言われると途端にヤバさが増したような気がしたが、まぁ今更考えてもしょうがないし、よく見たらもらった資料にちゃんと首のことは書いてあった(但し鼠蹊部のみマーカーで塗られていた)。

鼠蹊部の剃毛についても確認された。
私は普段から胸、お腹、そして下の無駄毛を全て剃っているため鼠蹊部は元々常に毛が無いのだ。
従って鼠蹊部自体は問題ないが、外腿の辺りに固定用のテープが貼られる可能性が高く、毛があると剥がすときに痛いかもと言われたが、まぁその程度であれば私としては問題ないと思うということでそのまま気にしない事にした。

一通り説明を聞いた後は特にやることもなかったのでしょうがなく仕事のメールを確認した。
事前にアナウンスしていたため、私宛の依頼はないが、状況把握だけはしておくと退院後に楽だからだ。

途中、Tさんが心電図を付けに来た。本体は袋に入れて首からぶら下げて歩くとのこと。

今日はシャワー浴びて良いとのことで、この後左腕に点滴用のライン取るのでそこが濡れないようにと透明なビニールのカバーと、バスマットを持ってきてくれた。カバーは昭和の事務員さんが腕につけていた黒いヤツのような形のものだ(この表現で伝わっているのだろうか?)。

ホテルと違いソープ類が何も置いてないので不足する物をファミマに買いに行った。ここでサコッシュの出番だ。
エレベーター内の鏡に映る自分を見て少しテンションが上がる。

ハンドソープとボディーソープとポカリスエットをカゴに入れ、最後に小さい醤油のボトルを入れた。今回食事に制約はないので味が薄すぎた時のために念のために買った。

18時過ぎに早々と食事が運ばれて来た。
如何にも病院のスケジュールだなと過去の入院時の経験を思い出しつつ、折角なのでと映像付きでツイキャスを始めてみたが、広島のお友達が1人か2人見てくれただけに終わった。みんなまだ働いているのだろうか?病院食キャスに需要がないのだろうか?などと考えたが、そもそも自分のキャスにそれほどの需要は無いのだ。

夕食のメニューは
ごはん190g
舞茸汁
サバの味噌煮
菜の花の和え物
牛蒡の金平炒め

どれも優しい味付けだが味が薄過ぎということもなく、問題なく美味しく頂けた。醤油は要らなかったかもしれない。

夜勤の担当の看護師の方が挨拶しに来た。
また若い男性だった(私から見れば病院で働く大体の看護師は若い)。個室の患者には同性の看護師を付けるルールでもあるのかも知れない。ガチ恋されても困るだろうしな。

食後に医者っぽい若い2人組がやってきて、点滴用のラインを取って同時に採血もしていった。点滴用の針は1発でうまく取れず、2回刺された。こういう作業は医者より看護師の方が上手かったりするものだが彼らが医者だったのか看護師だったのかは、名乗りもせずに私の体に2つの穴を開けて去って行っただけなので結局のところ分からず仕舞いだ。

画像9

20時15分くらいから再度ツイキャスを立ててみた。このくらいの時間であれば仕事も終わって見てくれる人がもう少しいるかも知れない。結果として先ほどよりは少しマシだったが、同時視聴者数3,4人といった感じだった。
病室の紹介とか、退院後楽しみにしている代代代のワンマンライブが無事観客入れて出来ますようにといったような話をとりとめなくした。繰り返すが、そもそも自分のキャスにそれほどの需要は無いのだ。

自分のツイキャスの録画をチェックしていたらウトウトと少し寝てしまっていた。
昨晩は対して寝ずに無理矢理起きたのだからまぁ当然だろう。

今日はシャワーに入って良いと言われているため、時間は遅くなったが折角シャワー付きの部屋なのだからと思い、重い腰を上げた。

が、しかしここで問題にぶち当たる。
点滴のラインはカバーを貰っているが、装着している心電図はどうすれば良いのか何も聞かされていない。
分からないので質問しようとナースステーションに向かったが、居合わせた3名はいずれも忙しそうに何やら作業をしており声をかけづらい感じがして素通りしてしまった。

2往復ぐらいした後に意を決して声を掛けた。女性の看護師の方が教えてくれた。ナースコールで看護師を呼んで外してもらい、シャワー終わったらまた呼んで付けてもらってくださいとのことだった。

ナースコールは「ヤバいんです!」みたいな状況じゃなくてももっと軽率に押して良いらしい。早速部屋に戻りナースコールを押すと、担当の看護師さんが来てくれた。

左腕に例のビニールを装着し、シャワールームに向かう。シャワーはトイレと同じ空間にあり、シャワーカーテンで仕切って使う感じだ。バスタブ状のものはなく、床はフラットになっていて、所謂スタンドアップシャワーだ。但し、壁に折りたたみ式の椅子が設置されており、これを使って座ることもできるようになっている。

試供品のシャンプーで髪を洗い、先ほど買ったボディーソープで身体を洗う。いつものルーティンで無駄毛を剃り始めたのだが、今朝剃ったばかりであまり生えてきてはいない。
ここでふと先程の外腿の毛の話を思い出して、ついでだから剃ってしまえと剃り始めた。だが、いざ剃り始めると、どこまで剃るか?という課題を抱えてしまい、なんだか途中まで毛があったりなかったりするのもなんだなと思い始めて足の毛を全部剃りたくなってきてしまった。結局両足の毛を指毛も含めて全て剃ることとなってしまい、かなり時間がかかってしまった。
また、膝周りなど凹凸のある部分で何箇所か傷をつけてしまいまぁまぁな感じで出血してしまった。チクチクと痛む部分もあるがまぁ一晩もすれば治ってくるだろう。

病衣は好きなだけ取り替えて良い契約とのことなので迷うことなく新たなものに取り替えて、タオルも新しいものを持ってきた。

エアコンをつけ、火照った身体を扇子で扇ぎ、荒熱がとれたところで再びナースコールで看護師さんを呼び、心電図を付け直して貰った。
髪を乾かしたいのだがドライヤーなどは持ち込めば使って良いのかと訊ねると、「お貸しできるので持ってきますよ」と言って持ってきてくれた。返却も明日の朝で良いとのこと。

ここまで記して時間は23時49分。
さて、そろそろ明日に備えて寝なければならない。
明日の朝はバタバタするだろうしこんなに詳細に記録している時間もなく全身麻酔でぼんやりするので明日のメモはあまり内容が期待できないかも知れない。

そもそもこの文章だってそれほどの需要は無いのだ。

明日へ続く




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?