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2024/1/24ふむふむ体験型ワークショップ/講演~同志社国際高等学校~

みなさん、こんにちは。
"ちがい"をたのしむ「ふむふむ」ですヾ(≧▽≦)ノ

京都府にある、同志社国際高等学校の全校生徒のみなさんを対象にげんのすけによる講演をさせていただきました!
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全校生徒(約700名)と一緒に約90分間、人権について学びました。
げんのすけは人権学習ご担当の先生と講堂にスタンバイ。
しかし、げんのすけの目の前には生徒さんはひとりもいません(笑)
今回は画面越しに全校生徒さんに語りかけるというスタイルでした。
各HR教室では担任の先生がiPadを使って、教室前方のスクリーンにげんのすけの顔が映し出され、声が聞こえるようにセッティングしてくださいました。(げんのすけも各HR教室の様子をリアルタイムで確認できます)
さらに、グループワークがしやすいように机の配置も変えたうえで、いよいよ講演スタートです!

※最近は、オンラインを活用した講演形態を望まれる学校も増えてきました。
大人数が一同に会する対面形式では、講演者の表情や所作が遠くて見え辛く、参加者の気が逸れる要因の一つになるかもしれません。
また、会場への移動に時間がかかり、時期によっては生徒さんへの身体的負担にもなりかねません。
机がなく、メモを取るなどの作業ができないことは問題になるかもしれません。
このような事情からオンライン講演のニーズが増えているのかなと思います。
もちろん、対面形式には対面形式のよい点があります。
実施形態についてのご相談も都度承りますので、これから講演をご検討されている学校様はいつでもお気軽にご相談ください^^
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さて、同志社国際中学校・高等学校では、毎年「人権週間」を設定し、人権学習に力を入れておられます。
有志から成る「人権委員」と共に決めた各年のテーマに基づいて発表をしたり、各方面から講師を招いて講演を聞いたりと、集中して人権について学んでいます。

2023年度のテーマは「LGBTQIA+」だそうです。
今回は2023年10月に実施された、当事者による人権講演の”続編”としてげんのすけをお招きいただきました。
つまり、生徒のみなさんは既に当事者による講演を一度聴いており、「LGBTQIA+」について”学習済み”という状況で『人権についてさらに深く考える』ことがふむふむに与えられた”ノルマ”でした。

このように新しいカタチのご依頼をいただき、ふむふむにとってある意味チャレンジの講演となりましたが、ニーズにお応えするため”今できるベスト”を尽くしました。
前置きが少し長くなりましたが、約90分のオンライン人権学習のラインナップをご紹介します。

これから体験型WSや講演の実施をご検討のみなさまに、本記事が参考になれば幸いです。


今回のテーマは
「”ちがい”を知ろう
~感じて、知るLGBTQIA+と差別~」

まずは「お馴染みの」クエスチョンです。
ふむふむでは、生徒さんや先生方が人権や差別について自ら考える力を持ち、そして今後も考え続けてもらうことを目的としています。
ふむふむの活動がそのきっかけになればと思っておりますので、今回も講演の冒頭で同志社国際高等学校の全校生徒さんに質問をしました。

「差別って何だと思いますか?」

いきなりそう問いかけられても、難しいですよね…^^;
そこで、今回は差別にはどのようなものがあるのかを簡単に説明し、生徒さんに差別に対するイメージを持ってもらいました。
短時間でサッと集中して考える姿勢になってもらうための導入です。

さらに質問は続きます。
「差別をする人と差別をしない人のちがいって何だと思いますか?」
「差別からくる行動と嫌いからくる行動の”ちがい”は何だと思いますか?」

以上のような質問をしたうえで、生徒さんに”差別疑似体験”を受けてもらうため、体験型ワークショップ(WS)をしました。

”ちがい”を感じる体験型ワークショップ(WS)

冒頭での問いかけの後、体験型WS(ロールプレイ)を実施しました。

ふむふむが実施する体験型WSの目的は以下のとおりです。
・実際に差別をされる体験をする
 →差別を受けてどのような気持ちになったか
・差別されている現場に居合わせる体験をする
 →差別を間近で見てどのような気持ちになったか
  差別を間近で見てどのような判断ができたか/できなかったか
  差別を受けている人に対して何ができたか/できなかったか
※差別を生み出さないために「多様性を認める」とはどういうことかを考える

具体的な実施方法の概要は以下のとおりです。
・絵画教室に通う生徒である参加者に、自由に絵を描いてもらう
・参加者に「A」または「B」のカードを配付する
 ※「A」または「B」は生まれながらの「特性」であり、変更ができない
・絵画教室の先生である講師(げんのすけ)が描かれた絵を見て批評をする
 ※その際、絵を描いた参加者が「A」または「B」であることを理由に不当な評価をくだされることもある

今回は対象生徒数と実施環境を考慮して、あらかじめ数名の生徒さんに描いてもらった絵(「A」「B」を付したもの)を使用しました。
ただし、各担任の先生にご協力いただき、すべての生徒さんに「A」または「B」を割り振っておき、自分たちと同じ特性をもつ生徒さんが描いた絵を評価されることについて”我がごと”に捉えてもらえるような仕掛けをつくりました。

いよいよ、絵画教室の先生(げんのすけ)は、絵を評価し始めます。
絵を褒めているようには聞こえるけれど、なぜが「A」または「B」という本人にはどうすることもできない「特性」によって絵の評価を容赦なく下げてきます。
不当に低い評価をつけられてしまう絵、その状況を目の当たりにしている人、…少しずつ不穏な空気が流れはじめ、息苦しささえも感じられてしまいます…

体験型WS(ロールプレイ)終了後は、”今感じたこと”をすぐにシェアするため、グループワークをしてもらいます。

ペアワーク
~差別をする人としない人の”ちがい”は何?
「差別」からくる行動と「嫌い」からくる行動の”ちがい”は何?

体験型ワークショップ(WS)で”差別疑似体験”をしてもらった後、グループワークをしてもらいました。
あらかじめ各担任の先生方にご協力いただき、グループワークがしやすいように机の配置を変えてもらっていたので、スムーズに話しあいに移行することができました。

ふむふむでは、個人が人権や差別についてしっかり考えられるようになることを第一の目的としていますが、一方で自分の考えや想いを人とシェアすることで自分の考えを整理したり、新たな気づきを得たり、また自分とはちがった考え方や意見があることに気づく体験も重視しています。

先にげんのすけが投げかけた2つの質問について話し合ったうえで、それぞれの感想を提出してもらいました。

時間が足りなかったという人もいるかもしれませんが、約79%の生徒さんからGoogleFormに感想や意見の入力をしてもらいました。

次々に提出される感想は奥が深いものから、ユニークなものまでさまざまで、自分なりに考えたことやグループでアウトプットしたことを踏まえて各々がしっかり考察してくれたことが分かる内容の濃いものでした。

”ちがい”を知る講演

①LGBTQIA+とは?

先に説明したように、同志社国際高等学校では2023年10月に当事者による講演を一度受けているため、こちらの内容は省略しました。

このように、すでに「単語を知識として知っている」人の割合は日に日に増えてきています。
日本においても、ようやくLGBTQIA+が一般的に広く知られてきているということはとても喜ばしいことだと思います。
一方で、「知識」のみが先行して正しい認識ができていない人がいることや、「単語」が独り歩きして思わぬ結果を招きかねない危うい状況でもあります。
ふむふむでは、「単語」よりもたいせつなことについてお伝えさせていただいておりますので、今回もこの項目は思い切って省略しました。

②当事者の人たちはどんなことに悩むのか?

次に、それぞれの当事者別が実際にどのような悩みを抱えているのかを紹介しました。
セクシュアルマイノリティの方々は「LGBTQIA+」と総称されていますが、その悩みは多様であり、全くちがうものであるということを具体例を挙げながら説明していきました。

ここでたいせつなポイントを3点お伝えしました。
1.「LGBTQIA+」はあくまで単語
2.なにがたいせつかは1人1人ちがう
3.単語からはいらずに、まずは本人の話をしっかり聞く

③仲間と差別について

ところで人が”仲間”と認識できる人数は何人でしょうか?
ダンバー数として有名な数字を使い、仲間以外の人が差別を受けていることを知ったとき、自分には何ができるかを考えてもらいました。

「”仲間”以外の人が誰かから差別されていたら
 あなたはどうしますか?」

これはかなり難しい問題です。
もちろん、大人にとっても大変難しい問題です。
全ての人が自信を持って「助けます!」とはなかなか言えないのではないでしょうか。
少しきつい言い方になりますが、言うだけなら誰でもできます。
実際に行動に移せるかどうか、どこまでだったらできるか、誰かに力を借りることならできるか、…
そうして掘り下げて「考えてみる」ということがだいじです。
これまで考えもしなかったような問を立てて想像をめぐらせてみることはとてもたいせつな活動だと思います。

④差別と言葉について

ふむふむの講演では、「差別はダメだ」「差別をしてはいけない」という一般論を伝えることだけを目的とはしていません。
ふむふむが重視しているのは、あくまで「自分で考える」、そして「その考えを共有する」ということのたいせつさについて再度見つめ直してもらうことです。
そのためにも、ふむふむがきっかけ作りをさせてもらうということに重点を置いています。

たいせつなポイント
1.言葉の意味は時代によって変わる
2.同じ言葉でも受け取る人によって意味は変わる
3.自分から出た言葉を誰が聞くのかをしっかり考える

FAQ

今回は講演中も随時生徒さんからの質問や意見をGoogleFormで受け付けていました。
いくつかの質問をもらったので、時間の許す限り質問にお答えしました。
なお、時間の都合でお答えできなかった質問の回答を、後日人権学習ご担当の先生にお伝えしました。
学校が設定している情報共有サービスを通じて生徒のみなさんにはシェアしてもらえるそうです。(同志社国際高等学校の生徒さんしかアクセスできないサービスのようです。※要パスワード)

さいごに
~全部自分で決められる~

「差別」がなくなり、すべての「人権」が守られるのが理想の世界です。
しかし、現実に「差別」はなかなかなくならず、悲しいニュースを耳にすることも後を絶ちません。
残念ながら大人、子ども関係なく「差別」をする人が現実に存在するのです。

ただし、誰もが一度は聞いたことがあるはずです。
「差別をしてはいけない」と――。

では、なぜ「差別」は起こるのでしょうか?

意図的に「差別」をしている人もいれば、意図せず人を傷つけてしまう「差別」を行ってしまっているという人もいると思います。

では、意図していない「差別」は許されるのでしょうか?

こちらもさまざまな意見があるかとは思いますが、基本的に差別は許されるものではありません。
ただし、意図せず人を傷つけてしまうことは誰にでも起こり得るものです。
ここでたいせつなのは、傷つけてしまった後のリカバリーをどうするか?です。
黙って知らぬ顔を貫くこともできるでしょう。
しかし、それでは差別を容認している人だと受け取られてもおかしくありません。
間違いなくその人自身の評価を下げてしまう行動でしょう。
悪いことをしてしまったとわかったとき、きちんと謝れる自分でありたいものです。

そうは言うものの、差別をする人になるのか、差別をしない人になるのか、差別を目の当たりにしたら助けられる人になるのか、見て見ぬふりをするのか、知らぬ間に人を傷つけてしまったときに謝れる人になるのか、目を背けて生きていくのか…すべては自分で決めることができます。
自分の考え、自分の言動は自分で決められるのです。
そこも含めてこれからもしっかりと考え続けられる人になってほしいとお伝えし、今回の講演のさいごメッセージとさせていただきました。


いかがでしたか?
人権学習に力を入れられているからこその高いニーズでしたが、人権学習ご担当の先生からは素敵な感想を頂戴できたので、ひとまず安心しました…^^

各学校における研修では、設定時間や形態なども含めて臨機応変に対応しますので、研修をお考えの場合はお気軽にご相談ください!


今後もふむふむの活動をとおして、人権学習を身近に感じてもらい、ひとりでも多くの方が自ら考える力を身につけ、すべての方が安心して生活できる社会をめざしていきたいと思います。


困ったことや、周りには言えない悩みがあったり、自分なりに考えたことを伝えたくなったりしたら、いつでもご連絡ください。
ふむふむはみんなからの連絡を待っています^^

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