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騙し愛

身に付けるモノが変わると 気分や 心さえも 変わった気がして。

それは 期間限定のお姫様券。

紅葉の季節。

紅葉舞い散る日常の中に 訪れる。

擦れ違う人達は 思い思いの格好をして 談笑している。

人の流れに流されて。

何度も。

何度も。

同じ場所を繰り返し 右往左往している。

お姫様に変わった私に 気付いてほしくて。

普段は 醸せない雰囲気を纏うように。

本当の自分を隠したままで。

本性を悟られないように。

今だけは 別の自分に 酔い痴れていたかった。

視線に晒された 素肌が火照りを帯びていく。

縛り付けられた心の解放を願った。

表向きの顔では とても 辿り着けそうになくて。

装いを変えても 説明のつく 今しかなくて。

せめて この夜が明けるまで。

抑えつけられていた欲望のままに。

この身を 焦がしたかった。

たとえ 何が起こったとしても。

全ては 仮初めだったと 格好つけて 忘却されていく。

間違いも。

正解も。

存在しない精神世界で 心身のもとに。

何もかもを 叶えたかった。

壊し合って。

仮初めの愛で お互いを嘘の焔で 熱くさせる。

泥酔状態かのように。

意識不明かのように。

記憶から 末梢されるのは 今宵の月。

私の暦だけ 満月だった日付が 一日 少ないのだ。

カレンダーから 姿を消してしまった。

語られることの無い 読み切りの短編を 今日だけは。

寂しさと情緒の香りだけを この満月に 残したまま。

愁い漂う汗が 交じり合うことを 恐れを知らぬまま。

反復する衝動の波に 身をよじる。

艷やかな華から 漏れる朝露に 種が芽吹く。

包まれていた闇が 引き裂かれる。

陽光は 時の経過を告げる。

萎れた華は 口をつぐんだまま 深い眠りを得る。

名も無い華の 名も無き物語は 終演へ。

騙したかった。

偽りの姿で。

騙されたかった。

本当の心で。

説明書なんかじゃ足りない。

記載されるべき言語すら 分かりはしない。

矛盾塗れの渇望は 沈むように婉曲していて。

誰かに話せるほど まとまっていないから。

果てしなく 継続していく。

誰の目にも 触れられぬまま。

触れたことにさえ 誰も 気付かぬまま。

さよならが 再会の銃爪に 成り得てしまうような。

おはようが 決別のシグナルに なってしまうような。

決まりが介在しない世界の中で。

私の仮初めにさえ 朝が来る。



※ハロウィンの季節ということで『仮装』に因んで 作品を書いてみました!
まぁ 多少なりとも 本音を隠している部分って あるものですよね~笑
それでも あたすは 最近 自分の視点をクッキリ持ったまま 良いワガママで 日々を過ごしているように 実感しています。
出来ることなら みんなが 自由な発想や思想で 共存出来た方がいいのは 間違いないことなんで。
どうも 日本の強制的な協調性だったり 右に倣えな文化って 才能やスペックの幅を抑制してしまう側面が 多い気がしている今日この頃であります。
誰かにとやかく言う資格なんて 誰にもないし その時間で 好きなことしてれば 心も満たされて 実力アップにも繋がるから もったいないなぁって人達が 結構な比率で 多い気がします。
迷った時は あたすを見てほしいかな。
自由って 無限大で 残酷でもあるから 腹は括らなきゃいけないけど それって みんなに 大なり小なり訪れるんじゃないかなって。
今日も 心が笑えるように 生きていこっか。

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